病気の診断の目的で行われる糞便(ふんべん)の検査をいい、一定の順序で画一的に行われるもの(ルーチンの検査)と特殊なものに大別される。特殊検査は、糞便中の脂肪定量の場合のように、バランススタディといった特定の検査名でよばれるのが普通であり、検便といえば一般にルーチンの糞便検査をさすと考えてよい。したがって、検体となる糞便は日常排出される新鮮なものでよく、特別に条件をつけることはない。
ルーチンの検便で行われる検査項目は、検査の手法によって、肉眼的検査、顕微鏡的検査、生化学的検査に分けることができる。肉眼的検査では、形状、硬度、量、色、臭気、場合によってはリトマス試験紙による水素イオン濃度(pH)などから、消化吸収、腸管運動、胆汁排出、炎症や出血性病変についての情報が得られる。ときに寄生虫体が認められることもある。顕微鏡検査では食物残渣(ざんさ)、消化管上皮細胞などの細胞成分、あるいは染色などにより腸内細菌叢(そう)などの所見のほか、病的には粘液、血液、寄生虫およびその卵、結石などの異物がみられる。とくに消化吸収障害の発見には、もっとも頻度の高い脂肪便を念頭において、アゾ色素のズダンⅢ(Sudan Ⅲ)染色により顕微鏡下に脂肪滴を観察することが有用である。虫卵の検査には通常の顕微鏡検査のほか、特定の種類が想定される場合には、それぞれの特性を考慮に入れて浮遊法や沈殿法による集卵を試みる必要がある。生化学的検査としては潜血反応がもっとも普及しており、そのほかにウロビリン検出法としてシュミットAdolf Schmidt(1865―1918)の昇汞(しょうこう)(塩化水銀(Ⅱ))試験は胆管閉塞(へいそく)の程度を知るのに用いられる。
[石森 章]
臨床検査法のうち患者の糞便検査の総称。検便の目的は,食道から大腸に至る消化管内の病変の有無を判断することと,食物の消化吸収機能の良否を知ることである。検便の方法は,(1)外観,性状の観察,(2)便中の特定物質の化学的分析,(3)便中微生物の同定確認検査,の3種類である。外観からは下痢便,粘液便,血便など消化管の異常と疾病原因を推定できる情報が得られ,次の検査や処置の選択に役立つ。化学成分の分析では血色素定性は消化管出血の有無を,タンパク質,糖質,脂質の分析は食餌中各成分の消化吸収機能の異常を知ることができる。微生物分析の対象は,顕微鏡検査による消化管寄生虫卵,寄生虫体の検出と培養検査による消化管感染症原因細菌とウイルスの検索である。赤痢菌,チフス菌,サルモネラ属,病原大腸菌などのほかアデノウイルス,神経疾患であるがポリオウイルスなどの検出には糞便が利用される。
→臨床検査
執筆者:林 康之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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