椿温泉(読み)つばきおんせん

日本歴史地名大系 「椿温泉」の解説

椿温泉
つばきおんせん

[現在地名]白浜町椿

椿谷の海岸近くの山麓から湧出する鉱泉で、「続風土記」に「村の南八町椿谷にあり、湯小温にして水清く性柔なり、浴する時は支体膏油を灌くかことし」とある。昔一羽の白鷺がこの湯で傷を治したことを知った朝来帰あさらぎ普門ふもん寺の湛海(宝永三年没)が、小さい湯船を作り鷺の湯と名付けたのが始まりと伝える。湯本の傍らにある薬師堂は寛文年間(一六六一―七三)創建とされ、江戸時代の初期にはすでに存在し、当初は小屋掛け程度の湯治場であったと思われる。「万代記」の安永三年(一七七四)の記事には椿湯と記されるが、もとは「さらぎの湯」と称したようである。微温のため加熱して浴用に供した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「椿温泉」の意味・わかりやすい解説

椿温泉
つばきおんせん

和歌山県南西部、西牟婁(にしむろ)郡白浜町南部にある温泉。侵食を受けた海岸段丘太平洋に面する枯木灘(かれきなだ)海岸の椿谷(つばきだに)にある硫黄泉。湯本に寛文(かんぶん)年間(1661~1673)創建という薬師堂がある。江戸時代からの湯治場で、明治中ごろには温泉の湯が樽詰(たるづめ)で大阪方面へ船積みされた。JR紀勢本線椿駅下車。また国道42号が通じる。

[小池洋一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「椿温泉」の意味・わかりやすい解説

椿温泉
つばきおんせん

和歌山県南西部,白浜町南西部一帯にある温泉。背後に山が迫った海岸の狭小地に湧出。単純泉,硫黄泉で,泉温 35℃。リウマチ神経痛効能があるといわれ,保養客が多い。湾口蓬莱島は釣りの名所吉野熊野国立公園に属する。

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デジタル大辞泉プラス 「椿温泉」の解説

椿温泉

和歌山県西牟婁郡白浜町南部にある温泉。江戸時代からの湯治場。泉質は硫黄泉で美肌の湯として知られる。

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