購買、生産、販売などの経営諸活動の遂行状況に対する監査。企業の経営諸活動が、経営目的と合致しているかどうかについて、内部の監査人によって検証するものである。業務監査は、前記の内部監査人によって行われる内部監査と、取締役の行う業務執行が法令・定款に違反していないかどうかを調べる監査役監査がある。内部監査は、組織体の経営目標の効果的な達成に役だつことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、ガバナンス・プロセス、リスク・マネジメントおよびコントロールに関連する経営諸活動の遂行状況を、内部監査人としての規律遵守の態度をもって評価し、これに基づいて客観的意見を述べ、助言・勧告を行うアシュアランス業務(監査業務)、および特定の経営諸活動の支援を行うアドバイザリー業務(診断業務)からなるとされている(日本内部監査協会「内部監査基準」)。また、日本の会社法は、原則として株式会社には監査役を設置するかどうかは任意である(会社法326条2項)が、監査役は会社の会計監査を含む業務監査を行う(同法381条1項)こととしている。そのおもな内容は、取締役などの業務執行が法令および定款に適合しているか否かの「適法性」を判断することにあるとされている。
なお、2014年(平成26)の会社法改正により、新たに監査等委員会設置会社の制度が導入された(会社法2条11号の2)。すなわち、取締役会と会計監査人を置く会社は、定款に定めることにより監査等委員会設置会社となることが選択できることとなった。監査等委員会設置会社は、従来の監査役および監査役会にかえて過半数の社外取締役からなる監査等委員会が置かれ、そこで取締役の業務執行などの監査を行う。また、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三つの委員会を設置する指名委員会等設置会社も規定されている(会社法2条12号)。
[中村義人 2022年11月17日]
…企業の経営活動に関して作成された会計記録について,それに関与していない独立の第三者が厳正公平な立場から分析的に検討を加え,それが適正か否かについての批判的意見を表明することをいう。会計監査の対象は会計記録であり,業務一般が対象である業務監査と区別される。会計監査は,会計の行われるところなら実施されるべきであり,非営利事業や国または公共団体にも行われる。…
※「業務監査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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