機械の運動や,それに伴って現れる力学的問題を取り扱う学問。機械が高速度で運転されるようになってくるに従い,運動する部分の慣性のために,静力学的あるいは幾何学的・運動学的知識だけでは解決できない問題がいろいろ起こってくる。このような機械に関する動力学的な問題を取り扱うのが機械力学である。エンジンのような往復機械を滑らかに運動させるためのつり合せの問題,伝動軸のねじり振動,あるいは回転機械のつり合せや振れ回りなどを扱う機械振動学がその中心をなすが,鉄道車両や自動車の乗りごこちや運転性能など,人間工学と関連が深い問題も新しい機械力学の対象となってきている。また,原子力発電プラントなどのように,熱と流体が大きな役割を果たしている機械システムでは,その影響が機械の運転特性に大きく影響するので,熱力学,流体力学なども機械力学に大きな関連をもつようになった。
学問として成立したのは比較的新しく,その中心をなす機械振動学が形成されたのは1920年代の中ごろである。この時代になって,振動による機械の破壊など,振動が機械にとって非常に重要な問題であることが,機械の製造会社で認識されるようになったことが直接の背景である。機械製造会社という現場から生まれたことに大きな特色があり,実際この方面の会社での講義録から教科書が生まれ,30年代になってから大学の工学部でも教科として採用された。
執筆者:三浦 宏文
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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