檮原(読み)ゆすはら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「檮原」の意味・わかりやすい解説

檮原(町)
ゆすはら

高知県北西部、高岡郡の町。1966年(昭和41)町制施行。四万十(しまんと)川の支流檮原川・四万(しま)川上流域を占め、北部の愛媛県境には標高1400メートル前後の四国カルストが広がり、五段城(ごだんじょう)、源氏(げんじ)ヶ駄馬(だば)などの平坦(へいたん)地がみられる。林野率が高く、用材生産のほかシイタケナスシシトウなどの園芸野菜が主要産物。水田山腹棚田をつくり、とくに神在居(かんざいこ)の千枚田が知られる。四国カルストでは大規模草地改良事業により放牧地が造成され、牛の放牧が行われる。明治以後は愛媛県宇和島との経済的、文化的関係が強い。国道197号が県境を高研(たかとぎ)山トンネルで越えるほか、国道439号、440号が通じる。津野山神楽(つのやまかぐら)は国の重要無形民俗文化財「土佐神楽」の一つ。面積236.45平方キロメートル、人口3307(2020)。

[正木久仁]

『『檮原町史』(1968・檮原町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「檮原」の意味・わかりやすい解説

檮原[町] (ゆすはら)

高知県北西部,高岡郡の町。人口3984(2010)。四万十(しまんと)川最上流部の支流域に位置する。北と西は愛媛県に接し,北東部には地芳(じよし)台があって四国カルストの台地が東隣の津野町の旧東津野村に連なる。中世津野荘一帯を支配した津野氏の勢力下にあり,当町から旧東津野村にかけては津野山郷とよばれた。近世には紙の生産が盛んで,1755年(宝暦5)には藩の統制に抗して津野山騒動が起こっている。土佐,伊予の国境にはいくつも番所が置かれ,なかでも九十九曲峠を越えて伊予に抜ける宮野々の番所からは,幕末に坂本竜馬,吉村寅太郎など脱藩者が相ついだ。山間の多雨地帯にあって杉,ヒノキなどの植林に適し,用材,シイタケ,栗などを産し,養蚕畜産が行われる。また木材加工,銃砲製造などの工場もある。津野山神楽は国の重要無形民俗文化財〈土佐の神楽〉の一つである。国道197号線が東西に走り,440号線が中央部を南北に走る。
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百科事典マイペディア 「檮原」の意味・わかりやすい解説

檮原[町]【ゆすはら】

高知県西部,高岡郡の町。四万十(しまんと)川の支流檮原川の上流域を占め,ほとんどが山地。林野が広く,林業を営む。ナス,シシトウ,シイタケを産し,畜産も行う。茶を特産。236.45km2。3984人(2010)。

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