(読み)カン

デジタル大辞泉 「檻」の意味・読み・例文・類語

かん【檻】[漢字項目]

[音]カン(漢) [訓]おり
動物や罪人を閉じこめておく所。おり。「檻車檻穽かんせい
てすり。「折檻

おり〔をり〕【×檻】

《「り」からという》猛獣や罪人が逃げないように入れておく、鉄格子などを使った頑丈な囲い、または室。
[補説]書名別項。→

おり【檻】[書名]

北方謙三の長編ハードボイルド小説。昭和58年(1983)刊。同年、日本冒険小説協会大賞受賞。やくざ稼業から足を洗いスーパー店主となった男が、平凡な日常という檻を出て元の世界に戻ってゆく姿を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「檻」の意味・読み・例文・類語

おりをり【檻】

  1. 〘 名詞 〙 動物などを閉じ込めておくための囲い。また、その入れ物場所。のちに、狂人や罪人を監禁する場所をもいう。牢(ろう)
    1. [初出の実例]「諸の漁(すなどり)(かり)する者(ひと)を制(いさ)めて、檻(ヲリ)(ししあな)を造り」(出典日本書紀(720)天武四年四月(北野本訓))

うな‐や【檻】

  1. 〘 名詞 〙 牢屋。ひとや。
    1. [初出の実例]「新羅の使者三人を捉(とら)へ檻中(ウナヤ)に納(こ)め、火を以て焚(や)きて殺しつ」(出典:日本書紀(720)神功五年三月(北野本訓))

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普及版 字通 「檻」の読み・字形・画数・意味


18画

[字音] カン
[字訓] おり・てすり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は監(かん)。〔説文〕六上に「(ろう)なり」「一に曰く、圈なり」とあり、(こう)字条に「檻なり」という。は牢で、牛馬を畜養するところ。檻・はおりの類。穽(あな)にしかけたものを檻穽という。檻はまた欄干をいう。

[訓義]
1. おり、わな、おとしあな。
2. ひとや、かこい、とらえる。
3. てすり、おばしま。
4. いげた。

[古辞書の訓]
名義抄〕檻 オバシマ・ヲリ 〔立〕檻 サス・ハカ

[語系]
檻heam、heapは声義が近い。は〔説文〕六上に「檻なり、以て虎(こじ)をす」とあり、特に厳重なものである。

[熟語]
檻屋・檻外・檻檻・檻車・檻獣・檻穽・檻送・檻檻塞檻致檻徴・檻辺檻櫺
[下接語]
倚檻・雨檻・檻・横檻・閣檻・危檻・綺檻・機檻・曲檻・玉檻・軒檻・圏檻・虎檻・高檻・鈎檻・鎖檻・彩檻・朱檻・囚檻・獣檻・井檻・石檻・折檻・層檻・大檻・丹檻・置檻・重檻・雕檻・檻・破檻・半檻・樊檻・飛檻・撫檻・風檻・欄檻・櫺檻牢檻・楼檻・鏤檻・籠檻

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デジタル大辞泉プラス 「檻」の解説

檻〔バレエ〕

アメリカの振付家ジェローム・ロビンズによるバレエ(1951)。原題《The Cage》。初演ニューヨーク・シティ・バレエ団。音楽はイゴール・ストラヴィンスキー。

檻〔戯曲〕

小林勝による戯曲。初演は劇団民芸(1960年)。同年、第6回新劇戯曲賞(のちの岸田国士戯曲賞)を受賞。

檻〔小説〕

北方謙三の長編ハードボイルド小説。1983年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【ロビンズ】より

…44年L.バーンスタインの音楽でバレエ《ファンシー・フリー》を初めて振付け大成功をおさめた。49‐59年,ニューヨーク・シティ・バレエ団(シティ・バレエ)の芸術監督補佐として,ストラビンスキーの音楽による《檻(おり)》(1951),ドビュッシーの音楽による《牧神の午後》(1953)などを振付け,57年にはバーンスタインの音楽によるブロードウェー・ミュージカル《ウェスト・サイド物語》の振付で,世界的な名声を得た。58年と61年のスポレート音楽祭出演のために〈バレエUSA〉を創立したが,長続きせず,69年〈シティ・バレエ〉に復帰した。…

※「檻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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