精選版 日本国語大辞典 「唄浄瑠璃」の意味・読み・例文・類語
うた‐じょうるり‥ジャウルリ【唄浄瑠璃】
- 〘 名詞 〙
- ① 浄瑠璃の様式による分類名。唄がかった浄瑠璃の意で、大薩摩、一中、河東、薗八(そのはち)など、謡い物に近づいた浄瑠璃を、語りの要素の強い義太夫節と区別して呼ぶ。
- [初出の実例]「眼が悪いのも厭はずに仲間の子供を呼集め、唄浄瑠璃の稽古して」(出典:歌舞伎・吹雪花小町於静(お静礼三)(1867)三幕)
- ② 俗曲の一種。長唄に浄瑠璃の節を加味したもの。宝暦(一七五一‐六四)ごろ、富士田吉治(次)に始まる。
- [初出の実例]「富士田吉次 楓江と世によぶ〈略〉世に長唄といえるを流行(はやら)せし人にて、その中にも唄ぜうるりといふ有」(出典:絵本戯場年中鑑(1803)上)
- ③ 歌舞伎の下座音楽で、浄瑠璃味を唄に加えたもの。
- [初出の実例]「時の鐘、波の音にて幕明く。と直に唄浄瑠璃になる」(出典:歌舞伎・桜姫東文章(1817)発端)