デジタル大辞泉 「此」の意味・読み・例文・類語

し【此】[漢字項目]

人名用漢字] [音]シ(呉)(漢) [訓]これ この
これ。この。「此岸此君彼此
難読如此かくのごとし此奴こいつ此処ここ此方こちら・こっち・こなた

こん【×此】

[代]《「これ」の音変化》「これ」に同じ。「だけ」
[連体]《「この」の音変化》「この」に同じ。「つぎ」「くらいの量」

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精選版 日本国語大辞典 「此」の意味・読み・例文・類語

こん【此】

  1. 〘 連体詞 〙 「この(此)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「こん天気のえいのん朝寝してゐてどうするだい」(出典:隣の嫁(1908)〈伊藤左千夫〉一)

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普及版 字通 「此」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 5画

[字音]
[字訓] これ・この

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は止(し)。〔説文〕二上に「止まるなり。止と匕(ひ)とに從ふ。匕は相ひ比(ならべる)するなり」と会意に解するが、匕は相比次する意ではなく、牝牡の牝の初文。此は雌の初文。此に細小なるものの意がある。之と同声で、代名詞の近称として用いる。〔詩〕〔書〕にも、また金文では戦国期の〔南疆鐘(なんきようしよう)〕にも、代名詞としての用法がみえる。

[訓義]
1. これ、この。
2. ここ、ここに。
3. かく。

[古辞書の訓]
名義抄〕此 ココニ・コレ 〔字鏡〕此 カクノ・ナムチ・ソシル・コレ

[部首]
〔説文〕にの二字を属し、〔新附〕〔玉〕に些を加える。些は〔楚辞〕に多く助詞として語末に用いる。〔説文〕に「(し)は(ゆ)なり。闕」とし、(し)二上に「(しる)すなり」とし朿声とする。みな小さく、ゆがんだものをいい、此の声義を承ける字とみられる。

[声系]
〔説文〕に此声として・呰・眥・雌・觜・柴・疵・など二十八字を収める。おおむね細小・尖鋭・屈曲などの意を含む。此の本義は、これらの形声字のうちに残されており、代名詞の用法は仮借である。

[語系]
此tsie、是zjieは声近く、ともに代名詞に用いるが、是の本義は匙(さじ)で、是はその象形。またtziも代名詞に用いるが、字の本義は絲(糸)。絲の頭を縊(くく)って液にひたし染める意で、滋染の(滋)の初文である。

[熟語]
此以此個・此家・此間此公此頃此際此次此段此処・此歳・此様此老・此君此若此輩此般此番・此復此覆此面
[下接語]
在此・彼此・楽此

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