武陵桃源(読み)ブリョウトウゲン

デジタル大辞泉 「武陵桃源」の意味・読み・例文・類語

ぶりょう‐とうげん〔‐タウゲン〕【武陵桃源】

世間とかけ離れた平和な別天地桃源桃源郷陶淵明とうえんめい桃花源記」によると、しんの太元年間に、湖南武陵の人が桃林の奥の洞穴向こうに出てみると、末の戦乱を避けた人々の子孫が住む別天地があって、世の変遷も知らずに平和に暮らしていたという。
[類語]理想郷桃源郷別世界別天地無何有むかうさとユートピアシャングリラザナドゥーエルドラドアルカディア

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精選版 日本国語大辞典 「武陵桃源」の意味・読み・例文・類語

ぶりょう‐とうげん‥タウゲン【武陵桃源】

  1. 陶潜の「桃花源記」に見える架空の地で、秦の乱を避けた人々の子孫が住んでいたという、俗世間をはなれた楽天地。また比喩的に、別天地・理想郷をいう。桃源。桃源境
    1. [初出の実例]「昔しの武陵桃源も流水より尋て入るぞ」(出典:中華若木詩抄(1520頃)中)

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四字熟語を知る辞典 「武陵桃源」の解説

武陵桃源

世間から離れた別天地・理想郷のたとえ。

[使用例] この白川村では先年タングステン鉱が開掘されモリブデン鉱が試掘されたり水力電気が経営されたりして、折々都人士の自動車が武陵桃源の山中人の眠りを驚かすようになった[内田魯庵*読書放浪|1933]

[解説] 陶潜の「桃花源記」に見える架空の地で、中国の晋の時代に、湖南武陵の桃林の奥に乱を避けていた人々がおり、その人たちは時代の移ったのも知らずに暮らしていたという故事によることば。

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世界大百科事典(旧版)内の武陵桃源の言及

【桃源境】より

…款待を受けて里に下ったのち,友人と再訪をはかったが果たせなかった。また,武陵桃源ともいう。この種の山中他界の話は中国に多く,爛柯(らんか)説話もその一種である。…

※「武陵桃源」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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