死海文書(読み)しかいぶんしょ(英語表記)Dead Sea Scrolls

翻訳|Dead Sea Scrolls

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

死海文書
しかいぶんしょ
Dead Sea Scrolls

1947年以後,死海北西部沿岸の荒野の洞穴や古代の廃虚で発見された羊皮紙やパピルスの古写本総称。そのうち (1) クムラン地域の 11の洞穴で発見された前3世紀なかばから紀元 68年までの写本で,『イザヤ書』や『詩篇』をはじめとする旧約正典,『トビト書』や『エノク書』などの典外書,『ハバクク書注解』などの注解書,エッセネ派に属すると思われるクムラン教団に関する貴重な資料を含むクムラン写本,(2) ユダヤ人のローマへの反乱 (132~135) を指導したバル・コフバに関する資料や正典の写本断片などのムラッバアト洞穴の写本,(3) 1世紀の小預言書のギリシア語訳の校訂や聖書断片その他を含むナハル・ヘベルの洞穴の写本,(4) 前 75年頃のへブライ語による『ベン・シラの知恵』『詩篇』や『レビ記』『創世記』などの断片を有するマサダの写本などが著名。いずれも古代ユダヤおよび初期キリスト教の研究にとって重要な資料である。なお写本の整理や分類は継続中である。

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デジタル大辞泉の解説

しかい‐もんじょ【死海文書】

《「しかいぶんしょ」とも》1947年以来、死海西岸の遺跡クムランとその付近で発見された、ヘブライ語およびアラム語の文書の総称。その多くはユダヤ教の一派クムラン教団に関係ある写本類で、旧約聖書のほか同教団の諸規則を含み、イエス時代のユダヤ教を知る貴重な資料とされる。死海写本クムラン文書

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大辞林 第三版の解説

しかいもんじょ【死海文書】

1947年以来数回にわたり死海北西岸のクムランその他の洞穴から発見された多数のヘブライ語・アラム語・ギリシャ語古文書の総称。旧約聖書の研究やキリスト教成立前後のユダヤ教の姿を知る上で重要な資料。死海写本。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

死海文書
しかいもんじょ
Dead Sea Scrolls

イスラエルの死海北西岸にある洞窟(どうくつ)群に隠されていた古文書の巻物。同所の孤立した台地上にある古代遺跡キルベト・クムランの住人たち(ユダヤ教の一分派エッセネ派の宗団と思われる)が製作したものなので、クムラン文書ともよばれる。1947年に7巻の羊皮紙巻物が洞窟内から発見されたのが最初で、その後の捜査でも銅板巻物を含む多くの文書が出土し、主要なものはエルサレムのイスラエル博物館の「聖書館」に収蔵展示されている。これらの巻物は元来、蓋(ふた)付き円筒形土器に収められ、羊皮紙やパピルスの場合はインクで書かれ、銅板には字が彫り付けられた。言語はヘブライ語楷書(かいしょ)が主で、ほかにアラム語も用いられている。年代は紀元前2世紀から前40年にわたるが、そこには「エステル記」を除く『旧約聖書』の最古の写本がみられる。また、クムラン教団の戒律、思想、聖書解釈を記した巻もある。[小川英雄]
『M・ブラック著、新見宏訳『死海写本とキリスト教の起源』(1966・山本書店)』

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