デジタル大辞泉 「残る」の意味・読み・例文・類語 のこ・る【残る/▽遺る】 [動ラ五(四)]1 あとにとどまる。「会社に―・って仕事をかたづける」2 取り去ったり使ったりしたあとに、なくならないである。「弁当が数人分―・る」「まだ時間は―・っている」3 消えないであり続ける。「傷が―・る」「最後の言葉が耳に―・る」4 死に後れる。生き残る。「夫に先立たれ、妻子があとに―・る」5 後世に伝わる。死後消えないである。「歴史に―・る快挙」6 相撲で、相手の攻めを踏みこらえる。「土俵際で―・る」→余あまる[用法][可能]のこれる[類語]居残る・とどまる・とどめる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「残る」の意味・読み・例文・類語 のこ・る【残・遺】 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙①(イ) 全体のうちの一部がなくならずにあとにとどまる。[初出の実例]「能許利(ノコリ)たる雪にまじれる梅の花早くな散りそ雪は消(け)ぬとも」(出典:万葉集(8C後)五・八四九)(ロ) 他の者が去ったあと、一部の者がそこにとどまる。[初出の実例]「やうやうすべり失せなどして、ただ頭の中将・源中将・六位一人のこりて」(出典:枕草子(10C終)一六一)②(イ) 死んだあともなくならずにある。後世に伝わる。[初出の実例]「今こそかくいみじき身を受けたれ、古への心ののこりてこそかくまでも参り来るなれば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)(ロ) 事のすんだあとまで消えずにある。[初出の実例]「しぼめる花のいろなくて、にほひのこれるがごとし」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)(ハ) 時に恨めしい気持、不満などが消えずにある。心残りがする。[初出の実例]「お前が左様やさしくして呉るから、己アもう今夜に死でも残る所はないが」(出典:人情本・閑情末摘花(1839‐41)初)③ 周囲の人たちが死んだあと、まだ死なずにいる。死におくれる。[初出の実例]「故ひたちのみこのすゑにまうけていみじうかなしうかしづき給ひし御むすめ心ぼそくてのこりゐたるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)④ 漏れおちる。多く、打消の語を伴って用いる。→のこら(残)ず・のこる(残)方無し・のこる(残)隈無し・のこる(残)事無し・のこる(残)所無し・のこる(残)無し。[初出の実例]「さても残(ノコ)らぬたはけ者爰で恋をせぬは風呂へ入てあかをおとさぬに同じ」(出典:浮世草子・西鶴置土産(1693)一)⑤ ある範囲や期限までになお余地や余裕がある。[初出の実例]「今日半日の生活が急に惜くなって、残(ノコ)る六日半の非精神的な行動が、如何にも詰らなく感ぜられた」(出典:門(1910)〈夏目漱石〉二)⑥ 相撲で、土俵ぎわまでまだ余地がある。また、技をかけられて、まだ倒れない状態にある。→のこった 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例