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母乳バンク ぼにゅうばんく

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知恵蔵miniの解説

母乳バンク

病気や早産で母乳が出ない母親に代わり、別の女性の母乳を提供するシステム。免疫力が少なく病気になりやすい小さく生まれた新生児に対し、出産後2〜3日以内に母乳を飲ませると、壊死性腸炎や未熟児網膜症、慢性的な肺疾患といった病気のリスクを下げる効果がある。すでに欧米などでは、2011年に米国の母乳バンク協会を介して配布された母乳が62トン近くになるなど広く普及している。日本では、13年10月、昭和大小児科(東京)が学内の倫理委員会の承認を得て初めて設置された。

(2013-10-29)

出典|朝日新聞出版
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

母乳バンク
ぼにゅうばんく

病気などが原因で出産後に乳汁分泌に支障のある母親や、早産であったため母乳の準備が整わない母親を対象に、第三者から母乳の提供を受けて供給することを目的に設立された仕組み。提供された母乳はドナーミルク(ドナーは提供者の意味)とよぶ。欧米ではすでに日常的に活用されているが、日本では2013年(平成25)に昭和大学病院で試験的に始められた。
 不妊治療の結果として多胎となったり、高齢出産の増加などで、未熟児や低体重で生まれる新生児は増える傾向にある。未熟児や低出生体重児は腸などの身体の機能が未発達であることに加えて免疫力も弱く、さまざまな合併症や重篤な疾患にかかるリスクも高い。母乳は栄養分が豊富で成長を促進させるうえに、合併症や疾患にかかるリスクを軽減させることができるとされる。また、免疫治療を受けて感染の危険が高くなっている乳児や、人工乳を受けつけないミルク(牛乳)アレルギー児にも与えることができる。母乳は低温殺菌し、乳児の鼻から管を入れポンプによって胃へ送り込む方法で与える。
 現状では、ドナーミルクを提供できる者は、同病院で出産してドナー登録を申請した母親に限られている。さらに、母乳に感染リスクや喫煙、飲酒などの影響のないことを確認し、血液検査を行ったうえで搾乳し、冷凍するなどして保存する。将来的には組織化して、基準を満たした母乳を随時供給できる体制を確立することが考えられている。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の母乳バンクの言及

【母乳】より

…この方法は,有職婦人が子と離れなければならないときや,乳児を収容している病・産院で利用されている。また搾った母乳を冷凍保存し,必要とする病児や未熟児などに供給するシステムを母乳銀行(母乳バンクともいう)というが,日本でも一部の医療機関で私的に設置されている。しかし搾母乳を哺乳瓶にとって与える方法は,母親の乳汁分泌機構や母児の愛情形成からみると,子が直接に母親の乳房,乳首から飲むという狭義の母乳栄養に比べ,不利はまぬかれない。…

※「母乳バンク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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