日本大百科全書(ニッポニカ) 「毛礬」の意味・わかりやすい解説
毛礬
もうばん
halotrichite
可溶性の含水鉄、アルミニウムの硫酸塩鉱物。もっとも普通の地表生成鉱物の一つ。黄鉄鉱を含む泥岩や粘土化した火山岩、火砕岩(火山砕屑(さいせつ)岩)の地表風化産物として生成され、火山噴気生成物として、あるいは不純な石炭層の分解物としても産する。可溶性のため、直接雨水の当たらない場所や坑道、洞窟内、あるいは乾燥気候地域の冬季少雨期に生成されやすい。自形は菱形(ひしがた)の断面をもつ柱状。繊維状あるいは毛髪状となったものの断面で観察されるが、端面(結晶の突端にある結晶面)の出現はまれ。英名はラテン語で塩類haloと毛状trichumを意味する語の合成語による。
[加藤 昭]
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