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気象光学 きしょうこうがくmeteorological optics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

気象光学
きしょうこうがく
meteorological optics

太陽や月のような明るい光源から放射される光線が,大気中の氷晶,雲粒子,雨滴などにより透過散乱屈折などして現れる光学的現象を研究する気象学の一部門。光学的手段による気象学の研究のすべてを包含すると非常に広範囲になる。しかし,日射に関するもの,紫外線分光観測によるオゾン層の問題,赤外線分光器による水蒸気の測定などは別の分科として取り扱われているため,狭い意味で単に眼で見られる大気中の光学現象に関するもののみを取り扱うことが多い。たとえば,空気分子による光の散乱によって生じる青空,夕焼け,大気中の浮遊細塵による光の透過率や視程の変化,光環など雲粒や氷晶による光の屈折,反射,回折などの光学現象である。

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デジタル大辞泉の解説

きしょう‐こうがく〔キシヤウクワウガク〕【気象光学】

光学現象を研究する気象学の一分科。暈(かさ)・虹・薄明など、大気中の光の散乱・屈折などを対象とする。

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百科事典マイペディアの解説

気象光学【きしょうこうがく】

大気の光学特性および大気中に浮遊する微小水滴,細塵(さいじん)などによって起こる光学的現象を取り扱う物理気象学の一部門。大気中における光の屈折,反射,回折,分散,偏光などの諸現象を研究の対象とするが,夜行雲,オーロラ,流星などは別に扱うことが多い。

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大辞林 第三版の解説

きしょうこうがく【気象光学】

気象学の一分野。大気および大気中の浮遊物による光学的現象(天空光・薄明・光環・グローリー・ハロー・虹など)を研究する。エーロゾルによる散乱・屈折・回折は、大気の熱の収支に関係が深い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

気象光学
きしょうこうがく

気象学の一部門。大気中の光や色の現象について研究する学問。青空、夕焼けなどの光の散乱現象、暈(かさ)のような雲の氷晶による屈折反射現象、光冠や御光(ごこう)などのような雲の微小水滴による光の回折現象、虹(にじ)などの雨滴による屈折現象、蜃気楼(しんきろう)や逃げ水のような空気の屈折現象などが研究の対象である。外国でも日本でも古くから研究されてきたが、気象学の他の部門、たとえば天気予報などに比べて実用価値が少ないので研究者は少ない。しかし一方、自然を愛好する一般の人々や、絵画や写真の専門家のなかには大気中の光学現象に興味をもつ人も多い。[大田正次]

空気分子などによる散乱現象

晴れた日の空は青い。都会を離れた空はさらに青く、高い山の上では空は紺碧(こんぺき)になる。空が青いのは空気が青いからではない。太陽の光が空気の分子や微細なちりによって散乱されるためである。光の散乱は波長の4乗に逆比例するので、太陽から出た光のうち波長の短い紫や青が強く散乱されて目に入る。これに反し太陽の周りの光は波長の長い赤が残る。とくに水平線近くの太陽の光は長く空気中を通過するので、赤が強くなる。これが夕焼けである。[大田正次]

氷晶による屈折反射現象

暈およびこれに関連した現象たとえば幻日や太陽柱などは、上空に浮かぶ氷晶によって太陽(または月)の光が屈折または反射してできる。いずれも多少色がつく。ただし太陽柱は地上付近に浮かぶ氷晶によって太陽光が反射されてできる光柱で色はついていない。光柱は街灯の鉛直上方に立つこともある。[大田正次]

微水滴による回折現象

光冠や御光などは、雲の微水滴によって太陽(または月)の光が回折されてできる色のついた光輪で、その半径は普通2~3度くらいで輪の外側が赤色である。なお暈は半径が22度で内側が赤色であるから、輪の大きさや色の配列から両者は区別できる。光輪の半径の大きさは雲の微水滴の半径に逆比例するのが特徴である。霧のとき外灯の周りにもできる。[大田正次]

雨水滴の屈折現象

太陽を背にして前面にできる光輪で、主虹(しゅにじ)は半径約42度で、外側が赤、副虹は約50度で色は逆で赤が内側である。夏に散水するときにも水滴に虹の断片が現れる。霧粒にも虹が現れるが、ほとんど色はつかない。月光に出る虹にもほとんど色はつかない。[大田正次]

空気の屈折現象

アスファルトの道路が太陽光線で熱せられたときよくできる逃げ水は、地面付近の空気による光の屈折によっておこる。冷たい雪面や海面の場合にも蜃気楼現象が現れる。[大田正次]

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