水苦土石(読み)スイクドセキ(その他表記)hydromagnesite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「水苦土石」の意味・わかりやすい解説

水苦土石
すいくどせき
hydromagnesite

塩基性炭酸マグネシウム鉱物の一つ。超塩基性岩中の脈鉱物として産し、中性ないしアルカリ性、十分に水分のある地表条件下での産物である。また苦灰岩の接触帯中や洞窟循環水中に懸濁状態で産することがある。他の含水炭酸マグネシウムの鉱物とともに産することが多い。自形は切出し小刀様の先端をもつ板状。普通は、粒状集合、皮膜状集合をなす。日本では愛知県新城(しんしろ)市吉川(よしかわ)などに産する。英名は成分にちなむ。

加藤 昭]


水苦土石(データノート)
すいくどせきでーたのーと

水苦土石
 英名    hydromagnesite
 化学式   Mg5[OH|(CO3)2]2・4H2O
 少量成分  ―
 結晶系   単斜
 硬度    3.5 もろい
 比重    2.25
 色     白~無
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照
 その他   酸で発泡

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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