氷川(町)(読み)ひかわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「氷川(町)」の意味・わかりやすい解説

氷川(町)
ひかわ

熊本県中部、八代郡(やつしろぐん)にある町。2005年(平成17)八代郡竜北町(りゅうほくまち)、宮原町(みやはらまち)が合併して成立。北東は宇城(うき)市に、南東から南は八代(やつしろ)市に囲まれ、北西部がわずかに八代海(不知火(しらぬい)海)に面する。町の南東部から北西方向に流れる氷川は、やがて八代市との境界をなし、海に注ぐ。氷川の景勝地、立神峡(たてがみきょう)の一帯は公園に整備されている。南北に走る国道3号を境に、東側は山林と丘陵地帯、西側は複合三角州と不知火干拓地を中心とする水田地帯である。国道3号の東方を九州自動車道、西方をJR鹿児島本線が通るが、町内にインターチェンジ、駅はない。氷川沿いに走る国道443号が、町の南部で3号に接続。基幹産業は農業で、稲作のほか、畳の原料となるイグサ、ナシ・イチゴなどの果実の栽培が盛ん。ザボンの一種「晩白柚(ばんぺいゆ)」も特産品。前方後円墳の物見櫓(ものみやぐら)古墳・姫ノ城(ひめのじょう)古墳・中ノ城(なかのじょう)古墳・端ノ城(はしのじょう)古墳などからなる野津古墳群(のづこふんぐん)は国指定史跡。国選択無形民俗文化財の「早尾のスッキョン行事」は、成人式の奇習として知られる。町の文化・交流活動の拠点として活用されている、1925年(大正14)建築の「まちづくり情報銀行」(旧、井芹(いせり)銀行本店)、1832年(天保3)建築、1873年(明治6)増築の「まちつくり酒屋」(旧、井芹家住宅)の主屋、および明治―大正期に建築された土蔵(2000年移築)・門・煉瓦塀外塀は、いずれも国の登録有形文化財。面積33.36平方キロメートル、人口1万1094(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android