日本大百科全書(ニッポニカ) 「永田武」の意味・わかりやすい解説
永田武
ながたたけし
(1913―1991)
地球物理学者。愛知県岡崎市に生まれる。1936年(昭和11)東京帝国大学物理学科卒業。寺田寅彦(とらひこ)に師事し、同大学地震研究所助手、陸地測量部嘱託、東京大学助教授を経て、1952年(昭和27)教授。1951年学士院賞を受けた「岩石の磁気的性質に関する地球磁気学的研究」は、熱残留磁気について法則を発見し、地磁気の永年変化と異常分布を明確にした業績として評価されている。1954、1955年国際地球観測年(IGY)会議に日本代表として出席以降、南極観測を提唱、第一~三次南極観測隊長(1956~1959)となる。1973年国立極地研究所初代所長に任命され、火山噴火予知連絡会や測地学審議会の会長も務めた。1974年文化勲章受章。日本学士院会員、アメリカ科学アカデミー名誉会員。著書に『Rock-Magnetism』『火山の噴火』などがある。
[石山 洋]