汗血馬(読み)かんけつば(英語表記)han-xue-ma; han-hsüeh-ma

世界大百科事典 第2版の解説

かんけつば【汗血馬 Hàn xuè mǎ】

西域(中央アジア)地方に産した名馬の一種。1日に千里を走り,疾駆すると血のような汗を流すので,この名がつけられたという。前漢の武帝のとき,張騫(ちようけん)の遠征によって西域に名馬のいることが中国に知られるようになった。中国では古来名馬を天馬と称しているが,《史記》の大宛列伝によると,〈はじめ烏孫の馬を天馬と名づけたが,大宛の汗血馬を得てみるといっそうたくましく,そこで大宛の馬を天馬と称し,烏孫の馬を西極(せいきよく)と改めた〉と記されている。

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大辞林 第三版の解説

かんけつば【汗血馬】

〔赤い汗を流すところからの名という〕
中央アジアの大宛(フェルガナ)に産し、漢の武帝がこれを求めて遠征軍を送ったことで有名。蒙古種もうこしゆの馬に比べて、背が高く大型で走力に優れる。
駿馬しゆんめ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

汗血馬
かんけつば

中国、前漢時代に輸入された大宛(だいえん)国(中央アジアのフェルガナ地方)産の駿馬(しゅんめ)の呼称。『漢書(かんじょ)』に「太初(たいしょ)四年(前101)春、弍師(じし)将軍李広利(りこうり)、大宛王の首を斬(き)り、汗血馬を獲(と)り来たる。西極(せいきょく)天馬の歌を作る」(武帝紀(ぶていき))とあり、その注に「大宛もと天馬種あり、石を踏みて血を汗(あせ)す。汗は前肩(ぜんけんはく)より出でて血のごとし、一日に千里と号す」とある。のち良馬の代名詞となり、杜甫(とほ)の詩「洗兵馬(せんへいば)」の一節にも「京師(けいし)みな騎す汗血馬」とみえる。[尾形 勇]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かんけつ‐ば【汗血馬】

※随筆・文会雑記(1782)一「宗子相は成ほど汗血馬なり。才にまかせて作れるゆへ、手本にはならず」 〔漢書‐武帝紀〕

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