没取(読み)ぼっしゅ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

没取
ぼっしゅ

特定物件所有権を剥奪して国庫に帰属させる行政処分。刑法上の付加刑である没収と区別するために,実務上「ぼっとり」と呼ばれることがある。古くは「官没」といわれた。現行法上,少年の触法行為を組成した物件など (少年法 24条の2) ,保釈に際して賦課された遵守条件に違反したため保釈が取消された場合の保釈保証金有価証券 (刑事訴訟法 96) ,私的独占禁止及び公正取引確保のための保証金 (独占禁止法 63) などに対して行われている。なお未成年者飲酒禁止法では,取にあたる場合に,没収の語を用いている。

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デジタル大辞泉の解説

ぼっ‐しゅ【没取】

[名](スル)
財産などを取り上げること。
一定の物の所有権を剝奪(はくだつ)して国庫に帰属させる各種の行政処分

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼっしゅ【没取】

一定の物や金銭の所有権を元の所有権者から奪って国庫に帰属させる処分。例えば,刑事事件で勾留された被告人が保釈中に逃亡したり証拠隠滅をはかったりした場合,保釈保証金が没取され(刑事訴訟法96条),少年の保護事件で,刑罰法令に触れる行為を組成した物,これらの行為に供した物,これらの行為から生じまたは得た物などが没取され(少年法24条の2),独占禁止法事件の被審人が違反行為の差止め等の審決執行を免れるために供託した保証金等が,審決が確定した場合に没取される(独占禁止法63条)などである。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぼっ‐しゅ【没取】

〘名〙
① 財産などを取り上げること。もっしゅ。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉七「その船及貨物を没取し玉へといふ」
② 行政処分または裁判所の処分により一定の物の所有権を取り上げ国に帰属させること。例えば保釈保証金の没取など。官没。没収。〔刑事訴訟法(1948)〕

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