デジタル大辞泉 「沸す」の意味・読み・例文・類語 わか・す【沸(か)す】 [動サ五(四)]《「湧わかす」と同語源》1 熱を加えて水などを熱くする。また、煮えたたせる。「風呂を―・す」「湯を―・す」2 熱狂させる。夢中にさせる。「タイムリーヒットが場内を―・す」「絶唱が観客を―・す」3 (「鎔かす」とも書く)金属を熱して溶かす。「カネヲ―・ス」〈和英語林集成〉4 発酵させる。「又説、大御酒おほみき―・せまゆとじめ」〈催馬楽・眉刀自女〉[可能]わかせる[類語]沸き立つ・沸き上がる・沸き返る・煮えたぎる・煮えくり返る・煮え返る・煮え立つ・煮立つ・沸く・滾たぎる・沸騰・煮沸・蒸発・揮発・蒸留 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「沸す」の意味・読み・例文・類語 わか・す【沸・湧・涌】 [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙[ 一 ] ( 沸 )① 沸くようにする。水などを熱して煮え立たせる。また、水を適温にまで温める。[初出の実例]「盟神探湯〈此をば区訶陀智と云ふ〉或は埿(うひち)を釜に納(いれ)煮(に)沸(ワカシ)て」(出典:日本書紀(720)允恭四年九月(図書寮本訓))「池中の水を湯に(ワカ)し価を以て浴せしむ」(出典:随筆・北越雪譜(1836‐42)初)② 金属を熱して溶かす。溶解する。[初出の実例]「水碓(みつうす)を造て冶(かねワカス)」(出典:日本書紀(720)天智九年是歳(北野本訓))③ 酒を発酵させる。[初出の実例]「又説 おほみき和可世(ワカセ)まゆとじめ」(出典:催馬楽(7C後‐8C)眉刀自女)[ 二 ] ( 湧・涌 )① わき上るようにする。水などをふき出させる。たぎらせる。[初出の実例]「渭を涌(ワカシ)て涇を躍(ほとはし)がしむ」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))② 発生させる。虫などをわき出させる。「うじをわかす」③ 熱狂させる。興奮させる。わかせる。「会場をわかす」[初出の実例]「青年の血をわかすに足る政治情勢の変転が起ってきた」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉四)[ 2 ] 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 いらだつ。腹を立てる。怒る。[初出の実例]「問ていはく、わかすとはいかに、答ていはく、はらをたつる事也」(出典:評判記・吉原すずめ(1667)下) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例