煮え返る(読み)ニエカエル

デジタル大辞泉 「煮え返る」の意味・読み・例文・類語

にえ‐かえ・る〔‐かへる〕【煮え返る】

[動ラ五(四)]
ぐらぐら煮える。沸騰する。煮えたぎる。「やかんの湯が―・る」
ひどく腹が立つ。煮えくり返る。「腹わたが―・る思い」
大騒ぎをする。騒ぎ立てる。
「節季師走にこの在所は傾城ごとで―・る」〈浄・冥途の飛脚
[類語]沸き立つ沸き上がる沸き返るたぎる沸く沸かす沸騰煮え繰り返る煮沸煮る炊く炊ぐ煮える煮付ける煮染める煮詰める煮込む煮出す煮上がる煮返す煮立つ煮え立つ煮えたぎる煮こぼれる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「煮え返る」の意味・読み・例文・類語

にえ‐かえ・る‥かへる【煮返】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 煮えてわきかえる。にえくりかえる。にえたぎる。沸騰する。
    1. [初出の実例]「釜の湯の月に成まで煑かへり 聞に地獄の沙汰は怖し」(出典:俳諧・若狐(1652)一)
  3. ひどく腹を立てる。心中に激しい怒りを燃やす。いきり立つ。にえくりかえる。
    1. [初出の実例]「九平次めが、けふ生玉にて徳兵衛を、散々に打擲したる由、腸が煮え返り」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))
  4. 湯が煮え立つように騒ぎ立てる。大騒ぎをする。ごったがえす。にえかえす。
    1. [初出の実例]「てっきり血の道でござりませふ。ああ目がまふ目がまふと、にへかへる」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)大坂)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android