滾る(読み)タギル

デジタル大辞泉 「滾る」の意味・読み・例文・類語

たぎ・る【×滾る】

[動ラ五(四)]
水がさかまいて激しく流れる。「川瀬が―・る」
煮えたつ。「湯が―・る」
激する気持ちが盛んにわきおこる。わきあがる。「青春血潮が―・る」「―・る闘志
[類語](2沸き立つ沸き上がる沸き返る煮えたぎる煮えくり返る煮え返る煮え立つ煮立つ沸く沸騰沸かす煮沸蒸発揮発蒸留/(3沸沸ふつふつ澎湃ほうはいあふれる燃え上がる旺盛沸き上がる沸き立つ込み上げるみなぎるみなぎらす高ぶる発揚燃える燃え立つ鼻息が荒い血気にはや奮い起こす奮い立つもりもり隆隆盛ん鬱然勃勃油然ゆうぜん湧然むくむく奮い立つ気を吐くエネルギッシュ活発快活精力的あぶらが乗る水を得た魚のよう情熱的意欲的

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精選版 日本国語大辞典 「滾る」の意味・読み・例文・類語

たぎ・る【滾・沸】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「たぎつ」と同語源 )
    1. 川の水などが勢い激しく流れる。さかまく。
      1. [初出の実例]「わきいづる涙の川はたぎりつつ恋ひしぬべくもおぼほゆるかな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
    2. 湯などが煮えたつ。沸騰してわきかえる。
      1. [初出の実例]「或は沸(タキレ)る灰の中に着く」(出典:大智度論平安初期点(850頃か)一六)
      2. 「この水、あつ湯にたぎりぬれば」(出典:大和物語(947‐957頃)一四九)
    3. 怒り・悲しみ・焦慮などの感情が激しくわきあがる。また、心がわきたつ。
      1. [初出の実例]「ヒトノ ゼンシン taguiri(タギリ) タマエバ」(出典:バレト写本(1591))
      2. 「ココロノ taguiru(タギル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    4. 他よりもすぐれる。
      1. [初出の実例]「ハア出来合にはどふでもたぎった物はござりませぬが」(出典:咄本・御伽噺(1773)噺の種)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「うちたえて落つる涙になるたきのたきれて人を見ぬがわびしき」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)三)

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