沸き上る(読み)ワキアガル

デジタル大辞泉 「沸き上る」の意味・読み・例文・類語

わき‐あが・る【沸き上(が)る】

[動ラ五(四)]
盛んに煮え立つ。沸騰する。「湯が―・る」
興奮した雰囲気が高まる。ある感情が激しく起こる。「歓声が―・る」「憤りが―・る」
水面などが激しく波立つ。
「南は満海、波―・りて」〈海道記
[類語](1沸き立つ沸き返る煮えたぎる煮えくり返る煮え返る煮え立つ煮立つたぎる沸く沸かす沸騰煮沸/(2沸沸ふつふつ澎湃ほうはいあふれる燃え上がる旺盛沸き立つ込み上げるたぎるみなぎるみなぎらす高ぶる発揚燃える燃え立つ鼻息が荒い血気にはや奮い起こす奮い立つもりもり隆隆盛ん鬱然勃勃油然ゆうぜん湧然むくむく気を吐くエネルギッシュ活発快活精力的あぶらが乗る水を得た魚のよう情熱的意欲的

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精選版 日本国語大辞典 「沸き上る」の意味・読み・例文・類語

わき‐あが・る【沸上・湧上・涌上】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. [ 一 ] ( 沸上 )
    1. 液体が熱せられて、激しく煮えかえる。沸騰する。また、あたたまってある適当な温度になる。
      1. [初出の実例]「雨脚は、湯のずる時わきあかるを云ぞ」(出典四河入海(17C前)一三)
      2. 「冬は湯が湧ぬ、夏は捨て置ても湧上(ワキアが)るはさ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
    2. 水面などが激しく波立つ。波が高く荒れる。
      1. [初出の実例]「洪濤洶湧(ワキアガリ)て、又船無し」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)一)
    3. 激しく騒ぎ立てる。また、いっせいに歓声や興奮した雰囲気などがあたりに広がる。わきかえる。〔御巫本日本紀私記(1428)〕
      1. [初出の実例]「騒騒しい談笑が客車の中に沸き上った」(出典:写生紀行(1922)〈寺田寅彦〉)
  3. [ 二 ] ( 湧上・涌上 )
    1. 心の中にこみあげてくる。感情の動きや疑いの気持などが高まってくる。
      1. [初出の実例]「湧上(ワキアが)って来る癇癪を抑へ」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉一〇)
    2. 物が下方からわき出て現われてくる。雲やけむりなどが生じて上にあがる。
      1. [初出の実例]「雲の峰がむくむく湧揚(ワキアガ)って居る」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)

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