油坂峠(読み)アブラザカトウゲ

デジタル大辞泉 「油坂峠」の意味・読み・例文・類語

あぶらざか‐とうげ〔‐たうげ〕【油坂峠】

岐阜福井県境九頭竜くずりゅう源流部に位置する峠。標高780メートル。西方九頭竜ダムがある。

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日本歴史地名大系 「油坂峠」の解説

油坂峠
あぶらさかとうげ

白鳥向小駄良むかいこだら福井県大野和泉いずみ村とを結ぶ県境の峠。越美山脈にかかり標高七八〇メートル、長良川の支流向小駄良川の水源である。当峠から向小駄良への道は急坂であった。日本海側と太平洋側とを結ぶ交通の要衝であり、中世すでに越前街道が通じて負荷ぼつか物資を運送した。越前穴馬あなまから郡上郡への浄土真宗弘通のルートでもあった。天文一〇年(一五四一)越前の浅倉勢が前年に続いて二度目の郡上侵入を図ったが、安養あんによう(現八幡町)の了淳は末寺門下一千余人で油坂峠を固め、討入った敵を撃退した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「油坂峠」の意味・わかりやすい解説

油坂峠
あぶらざかとうげ

岐阜・福井県境にある峠。標高約810メートル。岐阜県郡上市(ぐじょうし)白鳥(しろとり)町と福井県大野市和泉(いずみ)地区を結ぶ国道158号が、峠の下をトンネルで通過しており、峠西側(大野市)の斜面道路は東側(郡上市)より緩やかである。1893年(明治26)ごろまでは、福井、大野方面へ出る九頭竜(くずりゅう)川沿いの道が開けてなかったので、上流の上穴馬(あなま)地区の住民は、峠を越えて郡上方面と交流していた。

[上島正徳]

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改訂新版 世界大百科事典 「油坂峠」の意味・わかりやすい解説

油坂峠 (あぶらさかとうげ)

福井県大野市の旧和泉村と岐阜県郡上(ぐじよう)市の旧白鳥町の境にある峠。標高750m。九頭竜川の上流穴馬(あなま)谷と長良川の上流上ノ保(かみのほ)川の谷を結び,古くから大野と白鳥間の重要な交通路であったが,越前側は荒島岳直下の峡谷と深い雪のため,穴馬谷は白鳥と交渉が深かった。現在は国道158号線が通じる。峠の岐阜県側急斜面にスキー場,福井県側に人造の九頭竜湖があって観光地となっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「油坂峠」の意味・わかりやすい解説

油坂峠
あぶらざかとうげ

福井県東部の大野市岐阜県中部の郡上市の境にある峠。標高 750m。美濃街道の峠で,現在は国道 158号線が通っている。穴馬郷 (→和泉 ) から大野盆地への道は難所であったため,19世紀末頃まで穴馬郷は,峠越えの美濃地方 (岐阜県) との交流が深かった。付近は九頭竜川の源流部。

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