猩紅熱(しようこうねつ)に似た病気で,異型猩紅熱ともいわれる。1927年に流行したものを泉仙助(1888-1979)が独立疾患として報告した(1929)ので,その姓をとって泉熱と呼ばれるようになった。以来,50年代まで日本の各地でその流行がみられたが,近年はまれであり,外国にはこれに該当するものはないようである。
エルニシア菌による感染症で,感染経路としては,水・食物を介する経消化管感染が多く,ネズミの関与も考えられている。学童期以後の未成年者に,主として集団的に発症し,高熱(突然38~39℃の発熱)と発疹(1次疹。猩紅熱様,第1~2病日に出現)とをおもな特徴とする。典型的な場合には二峰性の熱型を示し,第5病日(発病5日目)ころに一時37℃前後に下がり,そのころに発疹も消えるが,1~2日のうちに再び体温が上昇して38~39℃となり,その際はしか(麻疹)様の発疹(2次疹)をみる。1~3週間のうちにしだいに解熱するが,発病後2~3週のころに結節性紅斑が下腿に出ることがある。第2次の発熱のころに腹痛・下痢(1日2~4回)を伴うことも多い。発疹の消えたあと皮膚の落屑(らくせつ)がみられる。そのほか,猩紅熱と異なり,苺舌(いちごした),咽頭炎,合併症(腎炎など)が軽く,予後はよい。
執筆者:大久保 滉
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発熱、全身性の発疹(ほっしん)、消化器症状を主症状とする感染症で、病原体は一種のウイルスとされるが、決定されていない。5~9歳の学童期にもっとも多く、90%は19歳以下にみられる。1959年(昭和34)ごろから集団発生がみられたが、65年ごろから患者の発生はまれになった。1929年に独立疾患として初めて記載した泉仙助の姓をとって泉熱とよばれる。しょうこう熱に似たところから異型しょうこう熱といわれたこともあるが、まったく別の病気である。病原体を保有するネズミの糞尿(ふんにょう)に汚染された水や生の食物を食べて伝染し、潜伏期は4~10日。急に40℃前後の発熱があり、翌日ごろから全身にかゆい発疹が現れ、いずれも5日間ぐらい続く。頭痛、嘔吐(おうと)、食欲不振などもみられる。熱はいったん下がるが一両日後にふたたび上昇し、1~2週間続いてから下熱してくる二峰型の熱型をとることが多い。高熱期に右下腹部(回盲部)に痛みや圧痛を訴えることが多く、また二次疹や結節紅斑(こうはん)をみることがあるのも特徴である。経過が長くても合併症は少なく、予後は良好である。有熱時に安静にしている程度でよく、重症の場合にはテトラサイクリンやクロラムフェニコールなどの抗生物質を使うが、ペニシリンはまったく無効である。
[柳下徳雄]
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