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沙汰人 さたにん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

沙汰人
さたにん

中世から近世にかけて沙汰 (裁判命令判決など) の執行にあたった人。おもに役所雑用を司る者をいい,また荘園年貢徴収その他の事務をとった者や,各種集会における幹事 (そう) の代表者などもこう呼ばれた。

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デジタル大辞泉の解説

さた‐にん【沙汰人】

中世・近世、官の命令を執行した者。
中世、荘園領主の命令を伝えたり、年貢の徴収などをつかさどったりした下級荘官。有力名主(みょうしゅ)がこれにあたり、惣(そう)の中心となった。

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百科事典マイペディアの解説

沙汰人【さたにん】

中世において指示・命令・判決・処置などを実際に執行する人。(1)中世荘園における荘官およびこれに準ずるもの(有力農民)等を沙汰人と称したが,彼らは荘務にあたる側面惣村の代表者というべき側面を持っていた。

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世界大百科事典 第2版の解説

さたにん【沙汰人】

中世において指示,命令,処置,判決などの執行に当たる者の称。12世紀以降多く見られるようになる。以下類別して主要なものをあげる。(1)政治的・軍事的命令の執行に当たる追捕や治安維持の役人など。追討使として平家滅亡後も九州に滞在していた源範頼に対し,源頼朝は1185年(文治1)7月,平家没官領および平家与同の張本の輩の没収所領に〈沙汰人を差置き〉帰洛するよう命じた。これはのちの地頭につながるものである。

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大辞林 第三版の解説

さたにん【沙汰人】

官命を受けて執行する役人。 「宿の-源内真弘といふをとこ/平治
中世、荘園の年貢取り立てに当たった下級荘官。また、それに準ずる者。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

沙汰人
さたにん

沙汰とは、裁判その他の諸事務にあたり、その命令、執行に携わることをいう。中世では役所の雑掌(ざっしょう)、寺院集会(しゅうえ)の代表者をはじめ、当該事務を管轄し取り扱う地位にある者が広く沙汰人とよばれた。荘園(しょうえん)や郷(ごう)(公領)の地頭(じとう)・下司(げし)・郷司なども、この意味で沙汰人とよばれることがあったが、これらの者の下位に位置して、中世村落の側からその職務遂行に協力する立場にある名主(みょうしゅ)百姓中の有力な者を、沙汰人とよぶのがもっとも一般的である。このことは、地頭・下司などを任命する補任(ぶにん)状の書止め箇所に、「沙汰人百姓よろしく承知すべし。件(くだん)によりてこれを用いよ」などと、地頭らの職務執行への協力を呼びかける文言(もんごん)がしばしばみえる事実からも確かめることができる。[鈴木国弘]

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世界大百科事典内の沙汰人の言及

【荘官】より

…荘園の管理にあたる役人の総称。荘司,沙汰人ともいう。時代および役割によって種々の呼称がある。…

※「沙汰人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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