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流体継手 りゅうたいつぎてhydraulic coupling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

流体継手
りゅうたいつぎて
hydraulic coupling

駆動軸と受動軸とを一直線上に置き,駆動軸端にポンプ羽根車を受動軸端に水車羽根車をつけて向い合せ,両者の間に液体 (一般には油) を満たして,駆動軸の回転を受動軸に伝える装置。普通はポンプ,水車両羽根車の形状は等しく,羽根は半径方向である。駆動軸を回すと,ポンプ羽根車によって液が回されて流出し,水車羽根車を通って受動軸を回し,液は両羽根車間を回流する。常に若干の滑りがあり,受動軸の回転は駆動軸のそれより小さいが,常用の回転数比は 0.95~0.98程度である。一定の動力を伝達する場合,回転数,直径ともに大きくなるほど,滑りが少くなり効率がよくなる。作動液としては油性がよく,粘性係数が小さく,比重が大きく,低凝固点・高沸騰点で変質しにくいものが適し,一般に鉱物油が用いられる。普通の使用状況では油を外部に取出して冷却する必要はない (→トルクコンバータ ) 。流体継手のなめらかなクラッチ作用を利用して,3対の遊星歯車式変速装置と組合せて,前進4段,後進1段のハイドロマチック変速機が自動車用として用いられている。

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デジタル大辞泉の解説

りゅうたい‐つぎて〔リウタイ‐〕【流体継(ぎ)手】

水・油などの流体を介して動力を伝達する装置。駆動軸に直結するポンプ羽根車を回すと、流体が循環運動をして向かい合う従動軸のタービン羽根車を回転させる。自動車・土木機械などに利用。

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百科事典マイペディアの解説

流体継手【りゅうたいつぎて】

流体式のクラッチの一種。原動機側に結合されるポンプ羽根車と負荷側に接続されるタービン羽根車で構成される。入力軸と出力軸のトルクは常に等しいが,出力軸の回転数は減少する。
→関連項目自動変速装置水力機械

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうたいつぎて【流体継手 fluid coupling】

ポンプ羽根車とタービン羽根車とを主要な構成要素とする流体式のクラッチ。図1のようにポンプ羽根車は入力軸(原動機)に,タービン羽根車は出力軸(負荷)に結合される。液体(一般に鉱油)を入れてポンプ羽根車を回すと,羽根車からトルクを与えられた液体はタービン羽根車に流入し,それにトルクを与えてポンプ羽根車に戻る。このように液体を介してエネルギーの伝達が行われる。その特性は,二つの羽根車のみで構成されているため,原理的に両羽根車のトルクは等しく,クラッチの機能を示すことにある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

流体継手
りゅうたいつぎて

ターボ型ポンプ羽根車とタービン羽根車を主構成要素とし、液体(一般に油)を作動媒体として一つの軸から他の軸へ動力を伝達する装置。流体クラッチともいう。原動機により駆動されてポンプ羽根車が回転すると、液体は遠心力によって押し出され、循環運動を行う。ポンプ羽根車内でトルク(回転力)を与えられて角運動量を増した液体は、タービン羽根車に入って角運動量を減少させ、トルクを与えてこれを回転させたのち、ふたたびポンプ羽根車に戻る。原理的にポンプ羽根車の与えるトルクとタービン羽根車の受け取るトルクとは等しく、トルクの変換は行われない。
 流体継手を歯車式変速装置と組み合わせると、発進時や加速時の衝撃や騒音が減少し、円滑な動力の伝達が可能となるため、自動車や船舶などの動力伝達に応用されている。[池尾 茂]

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