改訂新版 世界大百科事典 「自動変速装置」の意味・わかりやすい解説
自動変速装置 (じどうへんそくそうち)
automatic transmission
自動変速機,オートマチックトランスミッションともいう。自動車の走行時での運転操作において,クラッチ操作とギヤシフトとを自動的に行う機構を備えた変速装置。自動変速装置を装着した場合,加速ペダルとブレーキペダルを操作するだけで自動車を加速,あるいは減速することができ,運転が簡単で容易となる。このように通常の走行では手によって操作する必要はないが,前進,中立,後進などの運転者の意志による条件設定には,シフトレバーによりその区分を選定することになる。現在の大部分の自動変速装置は,トルクコンバーターに歯車変速装置を組み合わせ,走行条件に応じて適切な変速比となる歯車のかみ合せを自動的に選定する構造となっている。なお,燃料消費を低減するために,機械式無段変速装置などを用いた自動変速装置の開発も活発に行われている。
執筆者:山口 惇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報