デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「浜村蔵六」の解説
浜村蔵六(5代) はまむら-ぞうろく
慶応2年生まれ。東京にでて,はじめ金子蓑香(さこう)にまなぶ。のち4代蔵六の養嗣子となり,5代をつぐ。中国の呉昌碩とまじわり,作風がおおきくかわった。明治42年11月25日死去。44歳。陸奥(むつ)弘前(ひろさき)(青森県)出身。本姓は三谷。名は裕。字(あざな)は有孚(ゆうふ)。通称は立平。号は無咎(むきゅう),雕虫窟(ちょうちゅうくつ)主人。著作に「蔵六居印藪」「結金石縁」。
浜村蔵六(2代) はまむら-ぞうろく
安永元年生まれ。初代浜村蔵六の甥(おい)。初代の養子となり,2代蔵六をつぐ。幕命により朝鮮通信使にわたす文書の官印をほる。中国の印譜,書画古器などをあつめた。文政2年7月18日死去。48歳。江戸出身。本姓は橘。名は参。字(あざな)は秉徳(へいとく)。通称は仙吉。号は賁斎(ふんさい)。著作に「賁斎印譜」。
浜村蔵六(初代) はまむら-ぞうろく
享保(きょうほう)20年生まれ。伊勢(いせ)(三重県)度会(わたらい)の人。京都の高芙蓉(こう-ふよう)に刀法をまなび,鋳造印の技術にすぐれた。のち江戸にすんで名をなす。蔵六が刻した芙蓉の墓碑が東京虎ノ門の天徳寺に現存。寛政6年11月4日死去。60歳。本姓は橘。名は茂喬。字(あざな)は君樹。
浜村蔵六(4代) はまむら-ぞうろく
文政9年生まれ。3代蔵六にまなび,その養嗣子となり4代をついだ。明治28年2月24日死去。70歳。備前(岡山県)出身。本姓は塩見。名は大澥。字(あざな)は観侯。通称は参蔵。号は薇山(びさん)など。編著に「蔵六居印譜」。
浜村蔵六(3代) はまむら-ぞうろく
寛政3年生まれ。2代の高弟。2代に子がなかったので3代蔵六をついだ。天保(てんぽう)14年8月18日死去。53歳。江戸出身。本姓は小林。名は籍。字(あざな)は子収。号は訥斎(とつさい),亀禅。