海別岳(読み)うなべつだけ

日本歴史地名大系 「海別岳」の解説

海別岳
うなべつだけ

斜里町東部、知床しれとこ半島基部に位置する標高一四一九・四メートルの火山山頂は斜里町と根室支庁目梨めなし羅臼らうす町および標津しべつ標津町の境界となる。知床連山から斜里岳に至る主稜線上に位置し、なだらかな稜線が広がる女性的な山容を見せる。山腹からは奥蘂別おくしべつ川支流熊追くまおい川・海別川、糠真布ぬかまつぷ川、植別うえべつ川などが源を発し流下する。近藤重蔵本「西蝦夷地分間」には「ウナベツ嶽」、「蝦夷日誌」(二編)には「ウナベツと云(中略)西洋人此山を私称してアントヲニと云か」とあり、「協和私役」安政三年(一八五六)八月一一日条には斜里山の左に「ウナベツ山あり」などと記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海別岳」の意味・わかりやすい解説

海別岳
うなべつだけ

北海道東部,知床半島の基部にある火山。標高 1419m。斜里,羅臼,標津3町の境に位置し,標高 700m以下の浸食された山地基盤とする円錐 (コニーデ) 形の火山。寄生火山に小海別岳 (890m) がある。千島火山帯に属し,おもに安山岩玄武岩から成る。斜里岳道立自然公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の海別岳の言及

【知床半島】より

…東岸は根室海峡を隔てて国後(くなしり)島に相対する。新第三紀の堆積岩,火山角レキ岩,凝灰岩などを基盤とし,第四紀に噴出した海別(うなべつ)岳(1419m),遠音別(おんねべつ)岳(1331m),最高峰の羅臼岳(1661m),硫黄山(1563m),知床岳(1254m)などの知床連山と呼ばれる山脈が縦走し,半島の東岸と西岸の分水界をなす。硫黄山は頂部に北側に開いた馬蹄形の爆裂火口(径約1.2km)をもつ活火山で,明治期以降にも4回の噴火を繰り返し,1889年,1936年の噴火の際には北麓に多量の溶融硫黄を流出させた。…

※「海別岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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