海軍奉行(読み)カイグンブギョウ

デジタル大辞泉 「海軍奉行」の意味・読み・例文・類語

かいぐん‐ぶぎょう〔‐ブギヤウ〕【海軍奉行】

江戸幕府職名幕府海軍統轄したもの。慶応元年(1865)設置明治元年(1868)廃止

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精選版 日本国語大辞典 「海軍奉行」の意味・読み・例文・類語

かいぐん‐ぶぎょう‥ブギャウ【海軍奉行】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府の職名。元治元年(一八六四)設置。幕府の海軍を統轄した。慶応二年(一八六六海軍総裁設置後はその命を受け、実務に当たった。明治元年(一八六八)廃止。
    1. [初出の実例]「海軍奉行は荒井郁之助」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一一)

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改訂新版 世界大百科事典 「海軍奉行」の意味・わかりやすい解説

海軍奉行 (かいぐんぶぎょう)

江戸末期,幕府海軍の管理職。1865年(慶応1)8月,場所高5000石,席次陸軍奉行の上として新設され,黒羽藩主大関増裕(高1万8000石,翌年9月若年寄格)が任命された。のち若年寄兼任の場に昇格し,上司海軍総裁,同僚の海軍奉行並(1866年9月設置。11月場所高5000石),下僚の軍艦奉行とともに,幕府海軍の管理運営に当たった。元来は軍艦12隻よりなる1艦隊を指揮する提督として構想された官職で,のちの帝国海軍における中将に相当する。なお,67年の大政奉還当時の幕府海軍は,軍艦6隻,洋製船18隻,和製船8隻(うち1隻蒸気船)を保有していたが,上記諸将官の下に,軍艦頭(艦長。高2000石,諸大夫場。大佐に相当),同並(高1000俵,布衣場),軍艦役(船長または一等士官。高400俵。大尉に相当)等の士官を置き,海軍伝習所以来養成された海軍軍人をこれに任命して,その運用に当たらせていた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海軍奉行」の意味・わかりやすい解説

海軍奉行
かいぐんぶぎょう

幕末の幕府職名。席次は駿府(すんぷ)城代の上席。陸軍奉行の上位に置かれて場所高5000石。役金250両。1862年(文久2)の幕府軍制改革のときに新設。補任(ぶにん)があったのは65年(慶応1)7月で、黒羽(くろばね)藩主大関増裕(おおぜきますひろ)、ついで峰山藩主京極高富(きょうごくたかとみ)がこの職にあって海軍を管轄した。66年海軍総裁が置かれるとその指揮下に入り、68年1月に廃止された。

[井上 勲]

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百科事典マイペディア 「海軍奉行」の意味・わかりやすい解説

海軍奉行【かいぐんぶぎょう】

江戸幕府の役職。1865年に設置され,場所高5000石,席次は陸軍奉行の上。初代は下野国黒羽藩主大関増裕が就任,のち若年寄の兼任。翌1866年設置の海軍奉行並とともに上司の海軍総裁,下役の軍艦奉行らと幕府海軍を統轄。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海軍奉行」の意味・わかりやすい解説

海軍奉行
かいぐんぶぎょう

慶応1 (1865) 年に設けられた江戸幕府の洋式海軍の建設とそれを総括する職名。のち海軍総裁の指揮下におかれた。初代は黒羽藩主大関増裕。

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旺文社日本史事典 三訂版 「海軍奉行」の解説

海軍奉行
かいぐんぶぎょう

幕末,江戸幕府が海軍を統轄するために設けた職名
1865年設置。それ以前に設けられた陸軍奉行より上位で,軍艦の購入・訓練などを扱った。'68年廃止。

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