精選版 日本国語大辞典 「済口」の意味・読み・例文・類語
すみ‐くち【済口】
- 〘 名詞 〙 ( 「すみぐち」とも )
- ① 事の終わるところ。終局点。結着。また、落着した事件。
- [初出の実例]「牛引とどめ駕籠をたて、往来の人更にまた山をなして、此済口(スミクチ)を見るはあやうかりし」(出典:浮世草子・男色大鑑(1687)五)
- ② 落ち着き先。勤め口。就職口。住口。
- [初出の実例]「此二つ櫛が済口(スミクチ)は給分の事みじんもかまはず」(出典:浮世草子・当世乙女織(1706)三)
- ③ 江戸時代、訴えが提起されたのち、原告と被告との間で内済(ないさい)(=和解)が成立し、裁判所に訴えの取下げを願い出ること。紛争が終結したことを裁判所に通告すること。
- [初出の実例]「相対之上議定を定、済口相成候儀を申立」(出典:徳川禁令考‐後集・第一・巻一〇・文化一三年(1816)六月日)
- ④ 「すみくちしょうもん(済口証文)」の略。