料理の味をそこなわぬために,材料食品に含まれている苦み,渋み,えぐみなどの癖や不純物を除くこと。ワラビ,ゼンマイなどは灰汁でゆでて水にさらし,たけのこ,ゴボウなどには米ぬか,米のとぎ水,米粒などを用いる。クリやいも類は焼きミョウバンの溶液に浸し,れんこんやウドの変色を防ぐには酢水にさらす。ユリ根は酒を使ってゆでるとよく,クリの渋皮,クルミの薄皮,イワタケなどのあく抜きには重曹を加える。魚や鶏肉に熱湯をかけて霜ふるのもあく抜きが目的である。なお灰汁はそれ自体が〈あく〉と呼ばれ,染物の助剤に用いられたほか,洗剤としても重要であったため,かつては《守貞漫稿》に見られるような灰買を生業とする人々もあった。
執筆者:福田 浩
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