災害が発生した際、その直後から日常的な生活に復帰するまで用いられる災害対応食料。短期から中・長期的な計画のもとに調達・備蓄される。従来は災害対策の一つとして3日分程度の食料(非常食)の備蓄が奨励されていたため、保存期間の長さや保存時の収容の効率性といった利便性が重視されていた。しかし災害発生からの期間とライフラインの復旧状況、避難場所などの環境を考慮し、以下のような多様性が求められるようになっている。(1)調理不要で食べる際に水などの飲料を必要としないもの(ゼリー飲料や粥(かゆ)など)、(2)調理は不要だが食べる際に飲料が必要なもの(クラッカーやパンなど)・水を加えるだけで食べられる乾燥食品(フリーズドライの餅など)・調理不要の缶詰、(3)食品に湯を加えるか湯煎(ゆせん)が必要なもの(多くのフリーズドライ食品やアルファ化米、レトルト食品、カップ麺など)、(4)加熱調理が必要な一般的な食品。
2011年(平成23)に起きた東日本大震災では、被災者が約50万人、復旧活動への従事者が十数万人に及び、少なくとも1日120万食が必要とされた。しかし食料を配給されても水がないために飲み込むことが困難であったり、避難生活の長期化によって植物繊維が不足して便秘に悩む人が増えたりと、食に関連するさまざまな問題が浮上した。また、乳幼児や老人、嚥下(えんげ)障害や食物アレルギーがある人などに配慮した場合には食品の種類は十分ではなかった。さらに量的な問題だけではなく、同じものを食べ続ける苦痛を回避するための多様性など、質的な配慮も求められた。備蓄食料をむだにせず日常的にも利用できるランニングストックとして利用する方法など、開発が待たれる課題もある。
[編集部]
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