無沙汰(読み)ブサタ

デジタル大辞泉 「無沙汰」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐さた【無沙汰/不沙汰】

[名](スル)
長い間訪問や音信をしないこと。無音ぶいん。「―をわびる」「久しく御―しました」
処置指図などをしないこと。
「是を―にてさしおかば」〈太平記・三三〉
注意をおこたること。不用意になること。
「よしよし御灯は暗くとも、和光の影はよもじ曇らじ。あら―の宮守どもや」〈謡・蟻通
関心を持たないこと。事情にうといこと。
「京都の好士の中にも―にて仕うまつる人も侍るかな」〈吾妻問答
なおざりにすること。ほうっておくこと。
「先祖子孫の恥辱なり。皆大夫めが―故」〈浄・用明天王
[類語]無音ぶいん久闊きゅうかつ梨のつぶて音信不通

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の無沙汰の言及

【沙汰】より

…(b)年貢などを徴収または納付する(年貢を沙汰する)。これを怠る行為や状態は無沙汰といわれる。(3)とくに中世的な法律用語としては,是非善悪を論じ子細を明らかにするという原意があって,(a)裁判,訴訟のこと。…

※「無沙汰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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