迂闊(読み)ウカツ

デジタル大辞泉 「迂闊」の意味・読み・例文・類語

う‐かつ〔‐クワツ〕【××闊】

[名・形動]
うっかりしていて心の行き届かないこと。また、そのさま。「そんな大事なことを見落とすとは迂闊だった」「迂闊にも口を滑らす」
回り遠くて実情にそぐわないこと。実際の役に立たないこと。また、そのさま。
「彼の級友に…坐禅をするものがあった。当時彼は其―を笑っていた」〈漱石
[派生]うかつさ[名]
[類語]鈍感鈍い無神経抜かり手落ち手抜かりそつ手抜き遺漏疎漏抜かるうっかりうかうかノーマーク不用意不注意無意識的散漫無自覚無感覚無責任無意識ゆくりなく知らず知らず思わず知らず思いがけず思いも寄らない思わず覚えずひょっと我知らず我にもなくついついつい不覚不意ふと図らず図らずも何気なしうかうかうかと予想外意想外ひょんな潜在意識無意

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精選版 日本国語大辞典 「迂闊」の意味・読み・例文・類語

う‐かつ‥クヮツ【迂闊・迂濶】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 回り遠く、実際に役立たないこと。実情から離れているさま。迂遠。
    1. [初出の実例]「合従連衡之時分に堯舜禹湯文武周公孔子之道を云ほどに、迂闊な様で時に不合ぞ」(出典:史記抄(1477)一二)
    2. [その他の文献]〔漢書‐王吉伝〕
  3. 心が行き届かないこと。注意や心の準備が足りないさま。うっかりしているさま。
    1. [初出の実例]「又例の図ない迂濶をせられたよと思て」(出典:史記抄(1477)六)
    2. 「後の面倒を慮って迂濶に手は出さんが」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  4. 大変おうようで、のんびりしていること。
    1. [初出の実例]「又卒詣は大畧の心ぞ。やがて、おほむねと点じたぞ。迂闊(ウクヮツ)なことが大むねかうぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)三)

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