無礼(読み)なめし

精選版 日本国語大辞典 「無礼」の意味・読み・例文・類語

なめ・し【無礼】

〘形ク〙 相手を軽んじたり、あなどったりして、無礼であるさま。失礼であるさま。
書紀(720)継体二三年四月(前田本訓)「何の故か二の国の王、躬ら来集ひて天皇の勅を受けずして軽(ナメク)使を遣せる」
万葉(8C後)六・九六六「大和道は雲隠りたり然れども吾が振る袖を無礼(なめし)と思ふな」
なめ‐げ
〘形動〙
なめげ‐さ
〘名〙

なめ【無礼】

[1] (形容詞「なめし」の語幹) 無礼であること。感動表現に用いる。
浄瑠璃祇園女御九重錦(1760)一「『コリャ命取め』としなだれかかれば、『オオなめ、そんな事は嫌ひでござんす』」
[2] 〘形動〙 無礼なさま。
※春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉をかし「名家より招かるるに行かざるも無礼(ナメ)なるべし」

ぶ‐らい【無礼】

〘名〙 (形動) =ぶれい(無礼)
※文明本節用集(室町中)「不礼 フライ
読本近世説美少年録(1829‐32)二「然る方ざまとは知ずして大く無礼(ブライ)を仕りぬ」

む‐らい【無礼】

〘名〙 (形動) (「む」「らい」はそれぞれ「無」「礼」の呉音) 礼儀に外れること。また、そのさま。失礼。ぶれい。
続日本紀‐和銅五年(712)一二月辛丑「如此之服、大成無礼

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「無礼」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐れい【無礼】

[名・形動]《古くは「ぶらい」「むらい」とも》礼儀にはずれること。また、そのさま。失礼。不躾ぶしつけ無作法。「無礼態度をとる」
失礼[用法]
[類語]失礼失敬ぶしつけ無作法非礼欠礼不敬無遠慮礼を失する遠慮会釈もない忌憚ない・馴れ馴れしい

なめ【無礼】

[形動][文][ナリ]《形容詞「なめし」の語幹から》無礼であるさま。無作法。
座客の―なるを厭いてか」〈鴎外うたかたの記〉

む‐らい【無礼】

ぶれい(無礼)」に同じ。
「―の罪はゆるされなむや」〈常夏

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