失礼(読み)シチライ

デジタル大辞泉の解説

しち‐らい【失礼】

しつれい(失礼)」に同じ。
「天下の―を仕うまつりあへり」〈宇津保・国譲下〉

しつ‐らい【失礼】

しつれい」に同じ。
先達洗湯で御―つかまつりました」〈滑・七偏人・初〉

しつ‐れい【失礼】

[名・形動](スル)
他人に接する際の心得をわきまえていないこと。礼儀に欠けること。また、そのさま。失敬。「失礼なやつ」「先日は失礼しました」
他人のもとを立ち去ることのていねいな言い方。「お先に失礼します」
[感]軽く謝るとき、人に何かたずねたり頼んだりするとき、また人と別れるときなどのあいさつの言葉。「失礼、ちょっと前を通してくださいませんか」「また近いうちに会おう、では失礼
[用法]失礼・失敬無礼――「人の足を踏んでおいて謝りもしないとは失礼な(失敬な・無礼な)やつだ」のように、礼儀を心得ないの意では相通じて用いる。◇「失礼」は、問いかけたり、わびたり、別れたりするときなど、礼儀に外れないために、もっとも普通に男女ともに用いる。また、相手が目上・同輩・目下だれにでも使える。「失礼ですが、山本さんでいらっしゃいますか」「お名前を読み間違えてたいへん失礼いたしました」「お先に失礼」など。◇「失敬」は、やや古い語で、主に男性が同輩・目下に対して使う。敬意の程度は「失礼」よりも軽く、「きのうは失敬した」「これで失敬するよ」などと用いる。◇「無礼」は古風な語で、目上に対して身分をわきまえないという意味合いを含む。「ご無礼いたします」「この無礼者」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

しつれい【失礼】

( 名 ・形動 ) スル [文] ナリ 
礼儀を欠く振る舞いをする・こと(さま)。失敬。無作法。 「 -なことを言う」 「 -のないようにもてなす」 「先日は-しました」 「ちょっと前を-します」
「失礼します」の形で、目上の人の居る場所に入ったり、退出したりする時に言う挨拶の言葉。 「これで-します」
「失礼ですが」の形で、目上の人や未知の人に自分の言動の無作法さをあらかじめわびて言う語。すみませんが。 「 -ですが、お年はおいくつですか」 「 -ですが、鈴木さんでいらっしゃいますか」
( 感 )
うっかり人に迷惑をかけた時、相手にわび謝る語。 「これは-、おけがはありませんか」
相手に迷惑をかけそうな時に、前もって掛ける語。 「ちょっと-、前を通ります」
相手に呼びかける時にいう語。 「 -、青木さんじゃありませんか」
別れる時にいう語。 「それじゃこれで、-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

しち‐らい【失礼】

〘名〙 (「しち」は「失」の呉音) =しつれい(失礼)
※宇津保(970‐999頃)国譲下「見苦しきをば笑はせ給へば、〈略〉天下のしちらいをつかうまつりあへり」

しつ‐らい【失礼】

〘名〙 (「らい」は「礼」の呉音) =しつれい(失礼)〔書言字考節用集(1717)〕

しつ‐れい【失礼】

〘名〙
① (形動) 礼儀や礼式を欠くこと。礼儀をわきまえないこと。また、相手に対して礼儀を欠いているさま。先例故実にはずれること。無礼。欠礼。失敬。しつらい。
※九暦‐九暦抄・天徳元年(957)一〇月五日「貫首有明親王謝酒間失礼」
※十訓抄(1252)一「公事につけて失礼をもし、うちあるふるまひにも越度の出来つるは口をしき事なり」 〔春秋左伝‐定公一〇年〕
② (①の意をこめて挨拶(あいさつ)に用いる) 礼儀に外れるが止むを得ず行なわなければならないような場合、それをわびる気持を表わす語。人に問いかけたり、他者の話題に口をはさんだりするときに用いる。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後「わたしが何も角(か)もといふはどうも失礼(シツレイ)だが」
※其面影(1906)〈二葉亭四迷〉五一「どうも生意気な事を申して、失礼でした」
③ 別れること。いとまごいをすること。また、退出するときや別れるときに挨拶としても用いる。
※其面影(1906)〈二葉亭四迷〉五一「余り晩(おそ)くなりますから、是で失礼してよ」
④ 相手の無作法をたしなめたり、非難したりするときにいう語。
※洒落本・色深睡夢(1826)上「ヲヲしつれい。どふでおまへのとこのやといどさんのやうな、好(すき)なんとはちがひます」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

人望

信頼できる人物として、人々から慕い仰がれること。「人望を集める」「人望を失う」...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

失礼の関連情報