熱型(読み)ネッケイ

デジタル大辞泉 「熱型」の意味・読み・例文・類語

ねっ‐けい【熱型】

病気のときにみられる体温の上がり下がりの型。稽留けいりゅう熱・弛張しちょう熱・間欠熱などがあり、これによってある程度病気を推定できる。

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精選版 日本国語大辞典 「熱型」の意味・読み・例文・類語

ねっ‐けい【熱型】

  1. 〘 名詞 〙 発熱日内変動、およびその持続性などの型。病気によって型がある程度きまっている。間歇熱(かんけつねつ)の類。
    1. [初出の実例]「つぶさに熱型(ネッケイ)を観察し、熱の模様と他の症候との関係を比較して」(出典:育児読本(1931)〈田村均〉一五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「熱型」の意味・わかりやすい解説

熱型
ねっけい

体温の変動を時間的経過を追って記録し、得られたグラフのことで、「ねつがた」ともいう。熱すなわち発熱とは、正常の体温以上を意味するが、通常では37℃以上から注意が払われる。熱の有無は、額を触ってその皮膚温によって確かめることもあるが、実際には体温計によって測定される場合が多い。体温は、口内、直腸腋窩(えきか)で計られるが、日本では腋窩における検温がもっとも広く用いられている。なお、外国では華氏(かし)の温度を用いることが多いので注意を要する。C(摂氏(せっし))とF(華氏)の変換には、F=C×(9/5)+32の式が用いられる。

 毎日の体温と脈拍数、呼吸数をグラフとして記録したものは温度表とよばれ、疾病の経過を知るために、臨床的に常用されている。体温の経過だけのグラフである熱型は、疾病の性質を推察するうえでたいせつである。熱型の基本として次の型が知られている。すなわち、(1)一日中の体温の差が1℃以内のものを稽留(けいりゅう)熱といい、腸チフスの極期などにみられる。(2)体温の差が1℃以上を弛張(しちょう)熱といい、化膿(かのう)性疾患、敗血症などにみられる。(3)高熱無熱が間欠的に現れる(高熱期と無熱期とが1~2日置きに交代で認められる)ものを間欠熱といい、マラリアなどにみられる。

渡辺 裕]

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百科事典マイペディア 「熱型」の意味・わかりやすい解説

熱型【ねつがた】

発熱の時間的経過をグラフにした発熱曲線の型。病気の診断に重要。定型的な熱型には稽留(けいりゅう)熱弛張(しちょう)熱のほか,発熱と平熱が周期的にみられる間欠熱(マラリア,回帰熱)などがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「熱型」の意味・わかりやすい解説

熱型
ねつけい
fever type

体温曲線によって示される発熱の型。稽留熱,弛張熱,間欠熱に区別される。稽留熱は腸チフス,クループ性肺炎,流行性脳脊髄膜炎などに認められるもので,高熱が持続し,1日の温度差が1℃以内のものをいう。弛張熱は感染症によくみられるもので,1日の体温の動揺が1℃以上の高熱。間欠熱はマラリアなどにみられるもので,1日のうち発熱と平熱が周期的にみられるものをいう。このほかに結核や慢性炎症,悪性腫瘍,寄生虫症,貧血,月経前などにみられる微熱がある。

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