爺ヶ岳(読み)ジイガダケ

デジタル大辞泉 「爺ヶ岳」の意味・読み・例文・類語

じい‐が‐だけ〔ぢい‐〕【爺ヶ岳】

《「爺子岳」とも書く》富山長野県境にある山。標高2670メートル。飛騨山脈立山連峰の一。山頂三つに分かれる。東の長野側は険しい岩壁が多いが、西の富山側は緩やかで対照的である。爺岳。

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日本歴史地名大系 「爺ヶ岳」の解説

爺ヶ岳
じいがだけ

立山町と長野県大町市の境界をなす。三峰からなり、最高点は標高二六六九・八メートル。単に爺岳ともよび、また爺子岳とも書く。山に現れる種蒔爺の雪形が山名の由来。信州の古絵図にみえる五六ごろくヶ岳も中島正文によって当山のことであることが確かめられた。明治一〇年代の「仁科十二景」中に「五六岳暮雪」があり、漢詩に「遥望播種翁」と詠まれ、また信州の童謡に「五だけ六だけ爺ヶ岳」と歌われているという。

爺ヶ岳
じいがたけ

北アルプスのほぼ中央部、後立山うしろたてやま連峰にある一峰で、標高二六六九・八メートル。大町市街からの遠望をよくし、北・中・南の三峰で構成される山頂の姿は、一見して他の峰々と区別でき、里人にも親しまれている。南北方向に走っている後立山の主稜線は、ここで東西方向に変わる。稜線を境に、長野県側は険しい岩壁を随所に作り出し、富山県側は緩傾斜山腹であるといった、非対称形の山稜地形をみせている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「爺ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

爺ヶ岳
じいがたけ

長野・富山県境にあり、北アルプス連峰中央に位置する山。標高2670メートル。白馬(しろうま)岳などとともに後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の一峰。後立山連峰の稜線(りょうせん)は南北に走るが、爺ヶ岳では稜線が東西方向になり、山頂は三つに分かれる。古生層を貫く花崗(かこう)岩と玢(ひん)岩が稜線に交互に現れる。東の長野県側は険しい岩壁が多いが、西の富山県側は緩やかで非対称的である。登山コースは扇沢バスターミナルからの柏原(かしわばら)新道が一般的。山名は春の雪解け期に、南斜面の雪が溶けて岩肌の一部が黒く現れるのが、ざるを持って種を播(ま)く人の形にみえることからつけられたといい、地元では「種まき爺」とよび、苗代に籾(もみ)を播き始める目安にした。

[小林寛義]

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