出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長野・富山県境にあり、北アルプス連峰中央に位置する山。標高2670メートル。白馬(しろうま)岳などとともに後立山連峰(うしろたてやまれんぽう)の一峰。後立山連峰の稜線(りょうせん)は南北に走るが、爺ヶ岳では稜線が東西方向になり、山頂は三つに分かれる。古生層を貫く花崗(かこう)岩と玢(ひん)岩が稜線に交互に現れる。東の長野県側は険しい岩壁が多いが、西の富山県側は緩やかで非対称的である。登山コースは扇沢バスターミナルからの柏原(かしわばら)新道が一般的。山名は春の雪解け期に、南斜面の雪が溶けて岩肌の一部が黒く現れるのが、ざるを持って種を播(ま)く人の形にみえることからつけられたといい、地元では「種まき爺」とよび、苗代に籾(もみ)を播き始める目安にした。
[小林寛義]
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