片割れ(読み)カタワレ

デジタル大辞泉 「片割れ」の意味・読み・例文・類語

かた‐われ【片割れ/片破れ】

割れた器物などの一片。また、対になっているものの一方。「靴下の―を捜す」
一つのものから分かれたもの。分身
「清をおれの―と思うからだ」〈漱石坊っちゃん
仲間一人。「密輸団の―」
[類語]片方片一方一方他方一面半面他面側面片側片面片端一端一半一環片鱗一面的一方的サイド

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「片割れ」の意味・読み・例文・類語

かた‐われ【片割・片破】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物の割れたり破れたりした一片。また、対(つい)になっているものの一方。
    1. [初出の実例]「天下第一の及第ではあれども、林ではそとの一枝、玉の中ではかたわれほどのことぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)二)
    2. 「夜前手に入れし、鉄山より密書の片割」(出典:歌舞伎・彩入御伽草(1808)小平次内の場)
  3. かたよった状態で割れること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「かたわれもなふ、よふわれた」(出典:狂言記・連歌毘沙門(1700))
  4. 身を分けたもの。分身。
    1. [初出の実例]「おばは親のかたはれ」(出典:浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)上)
    2. 「清をおれの片破れと思ふからだ」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六)
  5. 仲間の一人。仲間の一部。
    1. [初出の実例]「親子は一体。敵の片われ一寸もうごかさぬ」(出典:浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)四)
  6. かたわれづき(片割月)」の略。
    1. [初出の実例]「過ぎかはる宵暁のかたはれを一つにすめる月のかげ哉〈藤原信実〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)一)

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