片脇(読み)カタワキ

デジタル大辞泉 「片脇」の意味・読み・例文・類語

かた‐わき【片脇】

片方わきの下から胸の側面にかけての辺り。「片脇に抱える」
かたわら。わき。「片脇に寄せる」
中心から離れた所。田舎場末
「―には今に天人唐草目にしむ」〈浮・胸算用・三〉
[類語]わき傍ら片方かたえとなり横手横合いそば近間最寄り近く付近近辺近傍界隈かいわい近回りそのへん四隣しりん隣組向こう三軒両隣りょうどなり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「片脇」の意味・読み・例文・類語

かた‐わき【片脇】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 指先から腋下までの長さ。
    1. [初出の実例]「滑らかなるくけ針に、はなだの糸をぞ、左。糸、右糸によりて、一尋かたわきばかりすげたるを」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. からだの片側。片方の脇の下。片方の脇腹。横腹。
    1. [初出の実例]「其小冠者、なに程の事かあるべき。片脇にはさんで、海へいれなむ物を」(出典:平家物語(13C前)一一)
  4. 中心地から離れたところ。都に対して田舎、また、町などの中心部に対して町はずれをいう。場末。かたわい。
    1. [初出の実例]「小庭・かたわきなどにて出で来る能は、下手の慣らひ也」(出典:花鏡(1424)比判之事)
  5. わきのほう。かたわら。かたすみ。
    1. [初出の実例]「かたわきよりわかやかなる女の声にて」(出典:平仮名古活字三巻本宝物集(1179頃)上)

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