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隣組 となりぐみ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

隣組
となりぐみ

1940年の内務省訓令に基づいて町内会などの下に設けられた最末端の地域組織。江戸時代の隣保組織である五人組は明治維新後もさまざまな形で残存していたが,昭和になると都市では消滅し,農村でもあまり機能しなくなっていた。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

隣組

日独伊三国同盟が成立した1940年9月、第2次近衛文麿内閣が全国で制度化し、食糧配給や防空演習を約10戸単位の連帯責任で実施させた。大政翼賛会の末端組織だった。国民歌謡の「隣組」は岡本一平作詞、飯田信夫作曲で、バリトン歌手・徳山たまき(たまき)の愛らしい歌い方や軽快なテンポが特徴。制度を広めるため、40年6月に初めてラジオで流された。大政翼賛会が結成された同10月にはレコードが発売された。洋楽文化史研究会代表幹事の戸ノ下達也さん(47)によると、日常生活を描いた歌詞が親近感を呼び、国民的な支持を得たという。戦後は替え歌がザ・ドリフターズのお笑い番組「ドリフ大爆笑」のテーマ曲となって浸透。最近もアルコール飲料CMソングとして替え歌が使われている。

(2011-05-30 朝日新聞 朝刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

となり‐ぐみ【隣組】

第二次大戦下、国民統制のためにつくられた地域組織。町内会・部落会の下に属し、近隣数軒が一単位となって、互助・自警・配給などにあたった。昭和22年(1947)廃止。

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百科事典マイペディアの解説

隣組【となりぐみ】

1940年9月新体制運動に際し,全国に設置された国民統制組織の末端機構。近世の五人組などの制度を継承し,約10戸を単位とし,連帯責任制のもと戦時生活の物質的・精神的統制を,地方官庁,町内会・部落会を通じて行おうとした。
→関連項目国民精神総動員運動

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世界大百科事典 第2版の解説

となりぐみ【隣組】

近世における五人組,十人組などの制度を継承し,国民総動員体制の最末端組織として再編成されたもの。日中戦争の拡大にともない,政府は国民動員のための組織化を図っていた。そのため,東京市においては,1935年岡田啓介内閣選挙粛正運動の下部組織として隣保組織の整備が指示されたのを手始めに,38年5月には〈交隣相助,共同防衛〉を目的に隣組制度が制定された。全国的には,40年の〈部落会町内会等整備要領〉(内務省訓令)によって,部落会,町内会の下部組織として組織された。

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大辞林 第三版の解説

となりぐみ【隣組】

1940年(昭和15)に制度化された国民統制のための地域住民組織。五~一〇軒を一単位として部落会・町内会の下に設けられ、配給・供出・動員など行政機構の最末端組織としての役割を果たした。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

隣組
となりぐみ

町内会の下位組織。組、班または隣保班とも称される。第二次世界大戦中は、隣組と町内会はほぼ同様に使用されており、したがって隣組とは町内会自体のことをさす向きも生まれた。制度的には、隣組は、1940年(昭和15)の「部落会町内会等整備要綱」によって結成することが義務づけられていた。隣組は、上意下達的な情報の伝達、食糧その他生活必需品の配給、防空防火、資源回収、国民貯蓄、体位向上・厚生、そのほか戦時体制下に伴うさまざまの国民統制の末端を担っていた。
 とくに隣組には「常会」の制度が設けられ、10戸前後の小集団単位ごとに話し合いなどによる相互の融和と援助が強調されていた。「和の精神」「和合原理」のイデオロギー強化の側面ともいえる。常会の小集団単位のまとまりを介して、町内会活動の実質化が図られていた。この点、同じ都市地域でも、もともと町内としてのまとまりをもつ下町では、常会―隣組―町内会のシステムは、町内に比較的スムーズに浸透する形で機能した。反対に町内としてのまとまりを欠く山手、郊外では、地域実態とは違和感をもって受け止められた。逆説的ではあるが、常会などの小集団単位のまとまり、和の精神は、むしろ山手、郊外地域にイデオロギー的にも強調される意味があったともいえる。しかし、「部落会町内会等整備要綱」は1947年(昭和22)5月ポツダム政令で廃止された。
 町内会―隣組のシステムは、第二次世界大戦後においても、時代思想的側面は大きく変わったが、システム自体としては依然として機能し続けている。調査研究面でも、地域組織の有力な型としてデータ的蓄積が図られているが、最近では町内会―隣組の地域組織としての国際比較研究もみられるようになっている。とくに戦時中に日本の隣組制度の範型が移植された旧占領国(フィリピンなど)の類似組織との比較検討がテーマをなしている。[奥田道大]
『東海自治体問題研究所編『これからの町内会・自治会』(1983・自治体研究社) ▽吉原直樹著『アジアの地域住民組織――町内会・街坊会・RT/RW』(2000・御茶の水書房)』

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世界大百科事典内の隣組の言及

【組】より

…日本の地域社会において居住の近接性に基づいて地域的に家々を編成する組織。組は,ムラとかマチと呼ばれる地域をいくつかに内部区分する村組と,家々を一定数ずつにくくる近隣組に大別される。村組も近隣組も学術用語であり,具体的には各地でさまざまな名称と組織形態を示し,また一つの地域社会に両者が重層して併存しているのが通例である。…

【配給制度】より

…東京では44年8月になってやっと青果,魚介,保存食品,調味食品,食肉の総合配給所が設置され,実情に即した計算方式による総合配給制度が実施された。 配給制度の円滑な実施の成否を握っていたのは,町内会隣組である。政府は切符制導入を決定したものの,個々の該当者を調査し,配給量を決めたうえで切符を交付するために,行政機構を格段に充実する余裕をもたなかった。…

【村】より

…しかし,それにもかかわらず経済的に後進的な諸地域の〈むら〉には,いまでも古いしきたりが守られ,村びとの日常生活と結びついた手工業をはじめ,水車の管理人,牧童,村決めの触れ役,冠婚葬祭に際しての隣保的な諸役等々の制度が残っている事例が多い。とくにゲルマン的要素の強い諸地域の農村では,今もなお〈隣組(Nachbarschaft,Rotte,Viertel)〉と呼ばれる相互扶助の組仲間が,親戚関係とはまったく無関係な形で広範囲に普及し,日常生活に計り知れぬ役割を演じているが,これも中世以来の庶民生活のなごりである。こうした諸制度は,民俗学的な研究対象としては,地球上のすべての〈むら〉で,類似現象として認められるところであろうが,西ヨーロッパの〈むら〉にあっては,その根底にいわば下から積み上げた自治の法理と,構成員による農地や入会地の共同運営という歴史的な実績を踏まえ,それを上からの一方的な支配に抗する団結のよりどころとしたという,農民の団体意識の強さに,その特色を求めるべきであろう。…

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