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牛川人 うしかわじん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

牛川人
うしかわじん

愛知県豊橋市牛川町の石灰岩の割れ目の堆積物中から発見された更新世人類。左上腕骨の破片と左大腿骨頭から成る。鈴木尚により,1957,59年に鑑定された。この堆積物は一緒に出土した動物化石から更新世中期のものとみられ,現在までに日本で発見されている最も古い化石人骨とみられている。上腕骨には,現代日本人や縄文時代人とは異なり,旧人と共通する原始性がみられるといわれるが,頭骨がないため詳細は不明。推定身長は 135cmで,きわめて低い。

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百科事典マイペディアの解説

牛川人【うしかわじん】

1975年豊橋市牛川の石灰岩採掘場で発見された人骨。出土した上腕骨と大腿(だいたい)骨の一部から旧人段階のものと推定されていたが,最近の研究で,人骨であることは否定されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

うしかわじん【牛川人】

愛知県豊橋市牛川町の石灰岩採石場の岩の亀裂から動物化石とともに1957年に発見された人類の左上腕骨。地質学,古生物学的研究から中部洪積世に由来すると考えられる。この骨の比重は石灰岩の比重(2.68)に近く,よく化石化している。骨のフッ素含有量は現代人縄文人ではそれぞれ0.07%と0.23%であるのに,牛川人骨では0.93%に達し,この骨の古さを裏書きしている。この骨は女性のものと見なされ,身長は135cmと推測される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

牛川人
うしかわじん

愛知県豊橋(とよはし)市牛川町の石灰岩採石場で採集された洪積世(更新世)の人骨。採石作業中に岩裂中の粘土層に含まれていた骨片が出土し、そのなかから人の左側上腕骨の破片が検出された。この発見をきっかけとして、東京大学理学部人類学教室の鈴木尚(ひさし)らによって1957年(昭和32)9月と58年7月、8月の3回にわたる発掘調査が行われた。人骨や石器などは出土しなかったが、上記上腕骨に伴ったと考えられる獣骨多数が得られ、その種類から間接的にこの人骨が中部洪積世上部のものと推定された。鈴木によると、問題の人骨は身長135センチメートルほどの女性のもので、その形態からかなりの原始性がうかがえるが、頭骨が出土しなかったため人類進化上の位置づけは保留された。その後同じ採石場で左側大腿(だいたい)骨片も採集されている。牛川人は発見例の少ないわが国の洪積世人骨というだけでなく、新人よりも古いものである可能性を有する点にいっそうの重要性がある。[今村啓爾]
『鈴木尚著『日本人の骨』(岩波新書)』

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