精選版 日本国語大辞典 「牛舌」の意味・読み・例文・類語
うし‐の‐した【牛舌】
- 〘 名詞 〙
- ① ウシノシタ科の海魚の総称。体長二〇~四〇センチメートルくらい。ヒラメ、カレイの近縁種で、体は長卵形で扁平、尾端はとがり、その形が牛の舌に似るところからこの名がある。口は巻き込むような独特の形をしている。両眼は左側にあり、右側にあるササウシノシタ類と区別できる。ふつう茶褐色か黒褐色で、海底の色によって多少変化する。クロウシノシタ、アカシタビラメが代表的。日本では北海道南部以南に分布。一部の種は食用とされる。したびらめ。
- [初出の実例]「れうさし白膾刺し身、牛舌魚鷹羽魚」(出典:謡曲・河水(1541頃))
- ② イワタバコ科の多年草。南アフリカ原産で、観賞用に温室で育てられる。地に接して長さ約六〇センチメートル、幅約四五センチメートルの広卵状楕円形の葉を一枚つける。葉の縁は波状で、裏面は暗赤色を帯びる。夏、葉の基部からのびた長さ三〇~六〇センチメートルの花柄に紫碧(しへき)色と白色が交錯した漏斗(ろうと)状の小花をつける。ケイプ‐プリムローズ。
- ③ 指物の一つ。牛の舌の形をしたもの。
- ④ 丁銀。また、小判。
- ⑤ 植物「いぬびわ(犬枇杷)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- ⑥ 植物「きらんそう(金瘡小草)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
- ⑦ きのこの一種。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕