デジタル大辞泉
「花車」の意味・読み・例文・類語
はな‐ぐるま【花車】
1 花で飾った車。
2 花を積んだ車。また、花見の車とも。
「柳桜をこきまぜて、錦を飾る―」〈謡・右近〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きゃ‐しゃ【花車・花奢・華奢】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )
- ① 物事の状態が上品で優雅なこと。また、そのさま。風流。伊達(だて)。
- [初出の実例]「武勇の道をばおくびにも出さず、見るにかたはらいたく、花奢風躰をのみ好みて」(出典:御伽草子・鴉鷺合戦物語(室町中))
- 「此女もむかしは千二百石取たる人の息女、万(よろづ)を花車(キャシャ)にてくらせし身なれ共」(出典:浮世草子・世間胸算用(1692)一)
- ② 人の姿や形がほっそりと骨細で上品なさま。繊細で上品に感じられるさま。
- [初出の実例]「此君利こんにして秋の野に萩のさきそろふをみるやうに何となくきゃしゃなり」(出典:評判記・新野郎花垣(1674)玉の井市之丞)
- 「きゃしゃ骨ぼその生れ付」(出典:浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)上)
- ③ 物のつくりが細かったりして何となく弱々しいさま。
- [初出の実例]「さて又きっかとして、又きゃしゃなる点のあるもよいぞ」(出典:四河入海(17C前)一一)
- ④ 「きゃしゃごと(花車事)」の略。
- [初出の実例]「此女房、すがたといひ、気分といひ、万を花車(キャシャ)でかためし身なれば」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)四)
花車の語誌
( 1 )「華奢」「花奢」はいずれも漢籍の古典には見られず、「香車」は美しい車という意味で存するが、「文明本節用集」等に「倭語歟」とあるように、語源は別である可能性がある。
( 2 )「花車」は漢籍にあるが意味が異なり、日本での当て字である。「花車」は「かしゃ」と読めば別語。
か‐しゃクヮ‥【花車・香車】
- 〘 名詞 〙
- ① 豪華な飾りをした車(日葡辞書(1603‐04))。
- ② 遊女を監督、指図する女。遣手(やりて)。遣手婆。
- [初出の実例]「女郎がばけてくゎしゃと変ずる」(出典:雑俳・住吉みやげ(1708))
- ③ 揚屋、茶屋の女房。
- [初出の実例]「くはしゃ(〈注〉ちゃやのかかなり)もまんもくどき迄にとどめ参らせ候まま」(出典:浮世草子・小夜衣(1683)五)
- ④ 「かしゃがた(花車形)」の略。
- [初出の実例]「立役(たちやく)敵役(かたきやく)道外(だうけ)花車(クヮシャ)おやがたと衣
(いしゃう)までをかへてかぶきをはじめ」(出典:浮世草子・御前義経記(1700)八)
はな‐ぐるま【花車】
- 〘 名詞 〙
- ① 花を積んだ車。花で飾った車。また、花見の車。《 季語・春 》
- [初出の実例]「野宮の、秋の千種の花車」(出典:光悦本謡曲・野宮(1470頃))
- ② 生花(いけばな)で、牛車を模した、竹で編んだ小さい花器。
- [初出の実例]「下手に文車、蒔絵の鏡台、ほかに四季の花を入れし花車」(出典:歌舞伎・曾我綉侠御所染(御所五郎蔵)(1864)四幕)
- ③ 紋所の名。車の輪に桜、山吹などの花をあしらって図案化したもの。
- [初出の実例]「百性のめしつかひ者らしきもの花車の紋灯挑をともして私宅へ嘇を乞」(出典:浮世草子・本朝桜陰比事(1689)四)
- ④ 植物「はんかいあざみ(樊噲薊)」の異名。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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花車
(通称)
はなぐるま
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 元の外題
- 花車岩井扇
- 初演
- 寛政4.11(江戸・河原崎座)
花車
〔長唄〕
はなぐるま
歌舞伎・浄瑠璃の外題。- 初演
- 嘉永1.5(江戸・中村座)
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の花車の言及
【ツツジ(躑躅)】より
…品種には関寺(せきでら),藤万葉,白万葉などがある。またモチツツジそのものの品種には胡蝶揃(こちようぞろい),花車(はなぐるま),青海波(せいかいは),駿河万葉(するがまんよう)がある。 [サツキ]はツツジの仲間であるが,江戸時代からツツジとサツキは区別されてきた。…
※「花車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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