物理光学(読み)ブツリコウガク(その他表記)physical optics

デジタル大辞泉 「物理光学」の意味・読み・例文・類語

ぶつり‐こうがく〔‐クワウガク〕【物理光学】

光学現象を光の波動論の立場から取り扱う物理学の一部門。

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精選版 日本国語大辞典 「物理光学」の意味・読み・例文・類語

ぶつり‐こうがく‥クヮウガク【物理光学】

  1. 〘 名詞 〙 物理学の一部門。光の波動性に基づく干渉・回折・偏光などの諸現象を研究する学問。幾何光学に対していう。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物理光学」の意味・わかりやすい解説

物理光学
ぶつりこうがく
physical optics

波動光学ともいう。光を波動として扱い,光波の伝搬,干渉,回折,分散,散乱,反射強度,光の放射と吸収など,光の本性や光と物質との相互作用などを論じる光学の分野。光学現象はすべて物理光学の研究対象といえるが,光を光線とみなせる現象では幾何光学で論じるのが簡便である。結晶内での光波の伝搬に関係した複屈折,偏光,旋光性などを研究するものを結晶光学電磁波である光波に及ぼす電場磁場の効果および光の放射や吸収などの光学現象をマクスウェル方程式を用いて論じるものを電磁光学という。光のスペクトルから原子分子の構造を研究する分光学量子論発展に大きく寄与し,量子力学的考察により物質の光学的性質を研究する光物性学を開発した。

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百科事典マイペディア 「物理光学」の意味・わかりやすい解説

物理光学【ぶつりこうがく】

波動光学とも。幾何光学に対する光学の一部門。光を波動として扱い,干渉,回折,散乱,偏光,磁場・電場との相互作用など電磁波としての光の本性を研究する。ホイヘンスヤング,フレネルらによる光の波動説,マクスウェルの方程式の確立に伴って発展,光学器械の性能向上に不可欠。
→関連項目光学

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世界大百科事典(旧版)内の物理光学の言及

【光学】より

…光に関する諸現象および光に対する物質の性質を扱う学問の総称。光を光線の集合と見て,その進み方や像の結び方を研究する幾何光学と,光を波動と見て,その物理現象を研究する物理光学(波動光学)に大別されるが,分光学,色彩論なども含めることが多い。このような意味での今日の光学は物理学の一分科にすぎないが,少なくとも17世紀までは,科学者ばかりか,哲学者や神学者さえもこの学問に取り組んだ。…

※「物理光学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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