特定郵便局（読み）トクテイユウビンキョク

デジタル大辞泉

とくてい‐ゆうびんきょく〔‐イウビンキヨク〕【特定郵便局】

局員が2、3人から20人程度の郵便局。昭和16年（1941）の郵便局の等級改正により、それまでの三等郵便局に代わるものとして設置された。特定局。平成19年（2007）の郵政民営化後は郵便局株式会社（現日本郵政株式会社）の直営となった。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

とくてい‐ゆうびんきょく‥イウビンキョク【特定郵便局】

1. 〘 名詞 〙 総務大臣が総務省令に基づいて定めた郵便局の一種。昭和一六年（一九四一）の郵便局の等級制度の廃止により、それまでの三等郵便局に代わるものとして設置。全国の郵便局の約九割を占め、規模は小さい。特定局。〔逓信省告示第十号‐昭和二四年（1949）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

百科事典マイペディア

特定郵便局【とくていゆうびんきょく】

普通郵便局に比べ小規模なものが多く，郵便局全体の４分の３（約１万9000局）を占める。明治政府が郵便制度を始めた際に地域の名士に業務を任せたことに始まる。局舎は局長やその親族から日本郵政公社が借り入れる場合が多い。特定郵便局長は郵便，郵便貯金，郵便為替，郵便振替および簡易生命保険等の現業事務を経営的立場から管理監督するほか，郵便，貯金，保険の窓口業務に従事。第２次大戦後，全国特定郵便局長会（全特）は自民党の有力な支持団体となった。郵政民営化に伴い転勤制度の見直し，定年の引き下げ，公募制の採用など，既得権の変更が目指されている。

出典　株式会社平凡社

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

特定郵便局
とくていゆうびんきょく

旧郵政事業下で特定郵便局長を長とした郵便局。おおむね小規模で，従業員も2～3人から 10人程度にすぎない。その歴史は古く，郵便の創業当時に，地方の素封家が自宅を提供して設置した郵便取扱所にさかのぼる。 1886年に郵便局の等級が定められると，三等郵便局とされ，地域に密着した郵政機関として，広く親しまれてきた。 1941年に等級制が廃止され，特定郵便局と称するようになった。集配郵便局と無集配郵便局とがあり，普通郵便局に比べると，窓口の取り扱い時間も短く，担当区域も狭いものだった。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内の特定郵便局の言及

【郵便局】より

…その後86年に郵便局を三等級制に改め，郵便取扱役の配置されていた局を三等郵便局に指定し，取扱役の名称も，三等郵便局長と改めた。これが，特定郵便局の前身である。1941年に等級別の格付が廃止されて普通局と特定郵便局とに分けられ，49年には簡易郵便局法が制定されて簡易郵便局が登場することになった。…

※「特定郵便局」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」