王山古墳群(読み)おうざんこふんぐん

日本歴史地名大系 「王山古墳群」の解説

王山古墳群
おうざんこふんぐん

[現在地名]鯖江市東鯖江・上鯖江町

鯖江台地南端の独立丘、王山(六六メートル)の上に分布する弥生・古墳時代の墳墓群。約五〇基の方形周溝墓(あるいは方形台状墓)および円墳からなり、うち一一基が昭和四〇年(一九六五)調査され、国の史跡に指定。

発掘されたのは山上平坦部に並ぶ方形周溝墓九基と円墳二基である。方形周溝墓は弥生後期から古墳前期に属し、周溝が墳丘の二隅あるいは四隅で途切れるいわゆる陸橋をもつものと、周溝が墳丘の四周をめぐるものの二種の形態がある。墳丘の規模は一辺約六―一五メートル、復原高二メートル前後。いずれも土壙をもち、五号墳から鉄刀、六号墳から鉄剣各一口が出土しているが、大部分は墓前祭祀に使用されたと思える土器だけである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「王山古墳群」の解説

おうざんこふんぐん【王山古墳群】


福井県鯖江(さばえ)市日の出町にある古墳群。鯖江台地の南端に位置する標高約66mの独立丘陵である王山に分布し、現在49基が確認されている。大部分が弥生時代(3世紀)から古墳時代中期(5世紀)にかけての方形台状墓で、古墳発生にかかわる墳墓として重要なことから、1967年(昭和42)に国の史跡に指定され、1980年(昭和55)には一部の地域が追加指定を受けた。丘陵の尾根筋には方形の墳墓が並んでおり、このうち1・3・4・7号墓は墳丘墓、あるいは方形周溝墓と呼ばれる弥生時代後期(3世紀)の墳墓である。5・6・9・25号墓は古墳時代前期(4世紀)の方墳で、規模は弥生時代の墳丘墓と大差ないが、5号墳から鉄刀、6号墳から鉄剣が副葬品として出土している。一方、丘陵の斜面には古墳時代の円墳が認められる。31号墳は古墳時代前期のもので、直径20m、高さ2mの規模があり、割竹形木棺から鉄剣・鉄鏃(てつぞく)・鎌・鍬先・臼玉が出土。32号墳は古墳時代中期のもので、直径8m前後、割竹形木棺に鉄剣・鉄鏃・刀子(とうす)・釶(やりがんな)が副葬されていた。一帯は現在、古墳公園として整備されている。JR北陸本線鯖江駅から徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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