デジタル大辞泉 「甘ったるい」の意味・読み・例文・類語 あまっ‐たる・い【甘ったるい】 [形]1 味や香りが度を超して甘い。嫌になるほど甘い。「―・いケーキ」2 声や態度が、ひどく甘えていると感じられる。「―・い声でささやきかける」3 性格や考え方がしっかりしていない。「そんな―・い考えでどうなる」[派生]あまったるさ[名][類語]甘い・甘口あまくち・甘美かんび・甘み・甘味・甘露・甘辛・甘辛い・甘酸っぱい・しょっぱい・塩辛い・辛い・スイート 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「甘ったるい」の意味・読み・例文・類語 あまっ‐たる・い【甘たるい】 〘 形容詞口語形活用 〙 [ 文語形 ]あまったる・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 形容詞「あまたるい」の変化した語 )① =あまたるい(甘━)①[初出の実例]「オヤオヤ甘ったるい、アクの脱けない大変な菓子を喰って居るナ」(出典:落語・三都三人絵師(1891)〈禽語楼小さん〉)② =あまたるい(甘━)②[初出の実例]「甘ったるき語気に男をなでつけ」(出典:艷魔伝(1891)〈幸田露伴〉)③ =あまたるい(甘━)③[初出の実例]「弁舌があまり爽快(さはやか)ならねば、ただ何となく甘(アマ)ったるく聞えて」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一)④ =あまたるい(甘━)④[初出の実例]「甘(アマ)ッたるくて、静かで、そしてなんとなく神秘的な初夏の夜の空が」(出典:桐畑(1920)〈里見弴〉帰路)甘ったるいの派生語あまったる‐さ〘 名詞 〙 あま‐たる・い【甘たるい】 〘 形容詞口語形活用 〙 [ 文語形 ]あまたる・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「あまだるい」とも )① 味が度を越してあまい。ねっとりとあまい感じにいう。あまったるい。[初出の実例]「あまたるき口をさまさん松の月〈満左之〉」(出典:俳諧・風やらい(1801))② 声、態度などが、ひどくあまえかかるような感じである。多く男女間の表現に、親しさ、色っぽさが感じられるのをいう。あまったるい。[初出の実例]「あまだるい声で殿様おっかける」(出典:雑俳・柳多留‐四(1769))「気を許した女からばかり聞かれるやうな甘たるい親しさ」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)③ 性格や考え方などがきりっとしていない。どこか間が抜けている。おっとりしすぎている。あまったるい。[初出の実例]「ただ今のはやり物なれど、買はぬが鑑定の力なるべし。買うては皆かづきのあまたるき人也」(出典:随筆・胆大小心録(1808)九三)④ 雰囲気などが、悩ましく、だるい感じである。あまったるい。[初出の実例]「あまたるう春も暮けり干大根〈千川〉」(出典:俳諧・篇突(1698)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例